本の特送便 梅書房 > > セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと
978-4-00-061151-0 セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと | ||
¥3,080 | ||
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【内容】 20世紀の壮大な実験,ソ連.それが人びとの心になにを残したのか探るため,作家はソ連崩壊後,自殺者の家族や,強制収容所の経験者,民族紛争を逃れた難民,地下鉄テロの被害者,デモに参加して逮捕拘禁された学生らに聞き取りをおこなう――.街頭や台所で交わされるさまざまな市民の声を集め,21世紀のいま甦りつつある抑圧的な国家の姿をとらえた大著. |
【目次】 加担者の覚え書き 第一部 黙示録による慰め 街の喧騒と台所の会話から(一九九一─二〇〇一) 赤いインテリアの十の物語 独裁政治の美とセメントのなかの蝶々の秘密 兄弟姉妹たち、迫害者と犠牲者……そして、選挙民 ささやき声とさけび声……そして感嘆 孤独な赤い元帥と忘れられた三日間の革命 思い出の施し、意味の渇望 べつの聖書とべつの信者たち 炎の冷酷さと高みによる救済 苦悩することの甘美さとロシア的精神の焦点 殺人者のだれもが、自分は神に仕えていると思っている時代 赤い小旗と斧の微笑 第二部 空の魅力 街の喧騒と台所の会話から(二〇〇二─二〇一二) インテリアのない十の物語 ロミオとジュリエット……ただし彼らの名前はアブリファーズとマルガリータ 共産主義のあと人びとはすぐに変わってしまった 孤独、それは幸福にとても似ている あいつらを皆殺しにしてやりたい、そう望んだあとの恐怖 大鎌を持った老婆とうつくしい娘 神さまがあなたの家の敷居に置いた他人の悲しみ クソのような人生と白い小さな壺のなかの百グラムの軽い砂 死者たちの無関心と塵の沈黙 狡猾な闇と「そこから作りうるべつの人生」 勇気とそのあとのこと 庶民のコメント 訳者あとがき 人名注 関連年表 関連地図 |
【おすすめ】 2015年にノーベル文学賞を受賞した、ベラルーシの女性作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの最新作です。 テーマは「ソ連」。ソ連という国家はなんだったのか、そこに暮らしていた人びとはどうなったのか、それは人びとの心になにを残したのか――ソ連崩壊後そのような問いを胸に、作者は旧ソ連各地でインタビューを行いました。 自殺した人たちの近親者、強制収容所の経験者、民族紛争を逃れてきた難民、地下鉄テロ事件の被害者、デモに参加して逮捕拘禁された大学生……この本ではさまざまな年代・立場・考え方の人間から集められた、いろいろな声が響き合います。そして、そうしたインタビューの数々を読み進めていく過程ですこしずつ焦点が結ばれてくるのは、過去が「使い古し=セカンドハンド」のものとして引き継がれてしまった現代の姿です。 本書はアレクシエーヴィチのライフワーク「ユートピアの声」の完結作であり、集大成の作品となります。また、日本をふくめた現在の世界の状況を考えるうえで大いに示唆的な一書です。 |