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978-4-00-600462-0 排除の現象学 | ||
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【内容】 〈かれら〉を攻撃し、かれらと異なる〈われら〉であることに安寧を求める社会に、未来はあるのか。いじめ、ホームレス殺害、障害者施設設置反対運動、宗教集団への批判、超常現象への傾斜――80年代に世間を賑わせた数々の事件から、異人が見出され生贄とされる、共同体の暴力を読み解く。時代を超えて切実に響く傑作評論。 |
【目次】 はじめに いま、暮れなずむ黄昏の異人たち 陽だまりの老人は異人である 現代版・姥棄て伝説 少年たちが老人を襲う時 汝の隣人は汝自身である 序章 さらば、寅次郎の青春 棺桶のなかの寅次郎 寅次郎はパンツを脱がない 植物的異人としての寅次郎 寅次郎という古さびた生の様式 第一章 学校/差異なき分身たちの宴――いじめの場の構造を読む 学校に追われる子どもたち 冗談関係あるいは全員一致の暴力 教室のなかの異分子たち 抽象化または規則なきゲーム 強迫的なるものとしての学校 供犠という分身たちの宴 排除にむけたあらたな差異の発見 差異の戯れとしてのファッション 第二章 浮浪者/ドッペルゲンガー殺しの風景――横浜浮浪者襲撃事件を読む 浮浪者とはだれかという問い 市民たちの浮浪者狩り 野にある異人たちの風景 交易の不在としての浮浪者 浮浪者という禁制の鏡 境界とその侵犯者たち かぎりなく日常化された供犠 第三章 物語/家族たちをめぐる神隠し譚――イエスの方舟事件を読む 供犠の現場としての物語 神隠し譚という内なる眼差し 神隠しをめぐるいくつかの物語 マス・メディアのなかの物語 拡散する家族たちの風景 イエスの方舟という異界 妖術師または供犠という主題 コムニタスとしての方舟 第四章 移植都市/鏡の部屋というユートピア――けやきの郷事件を読む いま逐われる異人たち カオスを排除した移植都市 ニュータウンという危うい日常 ユートピアとしての鏡の部屋 親密な関係世界への回帰 全員一致にあらざる供犠 第五章 分裂病/通り魔とよばれる犯罪者たち――精神鑑定という装置を読む 舗石の下の異人たち 通り魔が分裂病と出会う場所 外部としての精神分裂病 精神分裂病⇆了解不能性⇆動機なき犯罪 負の物語の産出メカニズム 物語を拒む犯罪者たち 第六章 前世/遅れてきたかぐや姫たちの夢――1/2の少女マンガを読む ここではない、どこか 前世への旅または自殺ごっこ ダライ・ラマの転生 定型としての転生の物語 異界と交信する彼岸の人 少女らの転生譚のはてに たそがれのかぐや姫たち 終章 失われたヒーロー伝説 丁稚どんはどこへ行ったのか 異形のヒーローたちの黄昏 乞食と祭りの失われた都市にて シンちゃんをめぐる風景 補章 『童夢』を読みなおす あとがき 筑摩書房版あとがき ちくま学芸文庫版あとがき 岩波現代文庫版あとがき |
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