本の特送便 梅書房 > > 占領期の性暴力 戦時と平時の連続性から問う
978-4-406-06693-8 占領期の性暴力 戦時と平時の連続性から問う | ||
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【内容】 1945年の敗戦直後、日本政府は占領軍向け「慰安」施設をつくった。銀座にあったRAA(特殊慰安施設協会)など、政府が今も関与を否定する売春施設の経緯と実態を解明する。ジェンダーの観点から現代史の暗部に学問の光を当て、ひるがえって、性産業のあり方や従事する女性の「自己責任」論なども検討した労作。 |
【目次】 はじめに 序 章 なぜ占領期の性暴力を議論すべきなのか 一 「占領期」の理解 二 性暴力と人権の関係性 (1) 性暴力の前提としての性的自由権・性的自己決定権の意義と限界 (2) 性暴力を性的人格権から捉える視点 第1章 占領期の国策売春施設設置と国や警察の関与 一 占領軍「慰安」施設設置に国や警察が関与した公文書は存在しないのか 二 占領軍用「慰安」施設としての「特殊慰安施設協会」(RAA)の設立の経緯 (1) 内務省と警視庁は占領軍「慰安」所設置にどう関わったのか (2) RAAはどのように宣伝されたのか 第2章 特殊「慰安」施設の資金調達と各都道府県の動向 一 RAAの資金調達 二 内務省通牒を受けた各都道府県警察(一般行政も含む)の動向 (1) 山梨県下の状況 (2) 神奈川県下の状況 (3) 群馬県下の状況 (4) 埼玉県下の状況 (5) 兵庫県下の状況 (6) 新潟県下の状況 (7) 広島県下の状況 (8) 長崎県下の状況 第3章 日本の公娼制度と占領下日本における米軍性政策の展開 一 日本における近代公娼制度の確立 二 第二次大戦までの米軍の性政策の概要 三 第二次大戦下の米軍の性政策 四 米軍の「性対策」の歴史と第二次大戦後の日本の性政策に与えた影響 五 朝鮮戦争以降の基地売春問題 第4章 エゴ・ドキュメント分析 1――日本人の日記・回想録から 一 高見順『敗戦日記』 二 大佛次郎『終戦日記』 三 山田風太郎『戦中派不戦日記』 四 徳川夢声『夢声戦争日記』 五 回想録から見えてくる終戦と女性観 (1) 吉村昭『東京の戦争』 (2) 小林信彦『一少年の観た〈聖戦〉』 (3) 小関智弘『東京大森海岸ぼくの戦争』 第5章 エゴ・ドキュメント分析 2――日本国憲法GHQ草案作成に関わった米国人 一 日本国憲法制定に関わる経緯 二 GHQ草案「人権に関する委員会」の二人、H・E・ワイルズとB・シロタの回想録 (1) ワイルズ『東京旋風――これが占領軍だった』 (2) ベアテ・シロタ『1945年のクリスマス――日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝』 第6章 エゴ・ドキュメント分析 3――占領期日本に滞在した外国人の日記・回想 一 占領期日本に滞在したジャーナリストの日記及び論考 (1) 克明な日本滞在日記を残したマーク・ゲインの日本人女性観・性意識 (2) ニューヨーク・ポスト支局長ダレル・ベリガンの日本人女性観・性意識 二 占領期医療福祉政策を牽引したGHQ高官サムス准将の回想に見る女性観 終 章 性暴力における戦時と平時の連続性 一 日本軍「慰安婦」問題と占領軍「慰安婦」問題の共通性 二 戦時と平時――売買春における経済的誘導・社会文化的誘導、社会的強制 三 売買春の非犯罪化の流れ――ニュージーランド・モデルと北欧モデル (1) ニュージーランドの売春改革法二〇〇三(PRA) (2) 北欧モデル 終章のおわりに (1) 性労働において性的自己決定権は行使されているのか (2) 性的人格権の確立への視座 |