本の特送便 梅書房 > > 方言はなぜ存在するのか ことばの変化と地理空間
978-4-469-21395-9 方言はなぜ存在するのか ことばの変化と地理空間 | ||
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【内容】 言語記号の恣意性を超えて トウモロコシ、ジャガイモなどの農作物、カマキリ、バッタなどの昆虫、人名や地名と方言の関係、文法の地域差など、生活に身近な例をもとに、地理空間におけることばの変化のしくみを考察。言語の恣意性を超えた有縁化の働き、そして、方言分布の基本則を明らかにし、なぜ方言は存在するのかという謎に迫る。 |
【目次】 序 ことばの変化と場所――方言とは何か? 方言はなぜ存在するのか?―― 第Ⅰ部 ことばと物と場所と 第1章 気候と再命名――「とうもろこし」とモロコシ―― 1 渡来作物 2 渡来作物名の外国地名 3 外国地名の使われ方 4 不思議なモロコシ 5 優良作物としてのモロコシ 6 「玉蜀黍」のモロコシと「蜀黍」 第2章 弱い固有名詞の強い力――「じゃがいも」で連鎖する類音牽引―― 1 渡来作物としての「じゃがいも」 2 渡来作物方言の語構成と「じゃがいも」方言の特性 3 甲州の清太夫 4 甲州による「じゃがいも」の変化 5 弱い固有名詞の強い力 第3章 方言・人名・地名の地理的関係――山口県に山口さんが多いわけではない―― 1 方言と人名、方言と地名の位置 2 地名・人名・方言 3 名字と都道府県名 4 名字と市町村名――長野県―― 5 名字と令制国名(旧国名) 6 方言・人名・地名の関係 第Ⅱ部 ことばのぶつかり合い 第4章 同音衝突の成立――庄川流域の「桑の実」と「燕」―― 1 桑の実と養蚕 2 「桑の実」と「燕」の同音衝突 3 「桑の実」の類音牽引・民間語源・異分析 第5章 同音衝突の本質――「虫」と「神主」、「煮こごり」と「大根汁」―― 1 相補分布する同音衝突 2 地図で見る同音衝突 3 「虫」たちと小盆地宇宙 4 「にこごり」と「大根汁」の四〇年 5 相補分布と同音衝突の本質 第6章 同音衝突と変化のスピード――「とうがらし」と「ピーマン」―― 1 「とうがらし」と「ピーマン」 2 「とうがらし」と「ピーマン」の同音衝突 3 変化の場所と速度 第Ⅲ部 ことばの混ざり合い 第7章 民間語源再考――「ひっつきむし」と男性器―― 1 ひっつきむし 2 「ひっつきむし」の二つの変化 3 べべは「衣類」だったのに… 4 民間語源を考える 5 能動的同音回避の回避相手 6 男性器とお爺さん 7 舞台は「やまうら」 第8章 混淆――混ざり合う「そばかす」―― 1 混ざり合うことば 2 方言の接触と混淆 3 「そばかす」の疑似混淆――ヘークロ―― 4 そばかすの混淆――ハークソ―― 5 混淆・民間語源・コンタミネーション 第9章 有縁性・有縁化 1 形と意味 2 言語記号の恣意性と有縁性 3 有縁化 4 有縁化による引き寄せと回避 5 有縁化の変動 6 有縁化と世界 7 終わりなき有縁化 第Ⅳ部 文法の変化と方言の形成 第10章 文法の変化と分布――「仕事に行かないで遊ぶ」多様性―― 1 否定の付帯状況 2 否定辞+助詞型 3 否定辞+補助動詞型 4 コナシ型 5 文法化と広さ 第11章 文法変化の発生・拡大・完成――否定過去のンカッタと受身の助詞―― 1 動詞の否定過去形 2 ンカッタの拡大 3 ンカッタの完成 4 助詞のダイナミックな変動 5 領域の形成 第Ⅴ部 方言の地理空間 第12章 方言分布の基本則――距離と縮尺、語彙と文法―― 1 方言と距離 2 基本と例外 3 広域と狭域 4 大縮尺と小縮尺 5 方言分布の基本則 第13章 方言の地理空間と視点――方言はなぜ存在するのか―― 1 意見が合わない父と母 2 視点の異なり 3 方言周圏論と方言区画論のその後 4 「区画」再考 5 方言はなぜ存在するのか あとがき 各章の関連論文・関連発表 本書を著すにあたって活用した研究課題 索引 |