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本の特送便 梅書房 > 方言はなぜ存在するのか ことばの変化と地理空間
978-4-469-21395-9 方言はなぜ存在するのか ことばの変化と地理空間 新製品
方言はなぜ存在するのか ことばの変化と地理空間
¥2,750   在庫有り
大西拓一郎/著

大修館書店

2023年11月

人文/国語学/方言


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【内容】

言語記号の恣意性を超えて

トウモロコシ、ジャガイモなどの農作物、カマキリ、バッタなどの昆虫、人名や地名と方言の関係、文法の地域差など、生活に身近な例をもとに、地理空間におけることばの変化のしくみを考察。言語の恣意性を超えた有縁化の働き、そして、方言分布の基本則を明らかにし、なぜ方言は存在するのかという謎に迫る。


【目次】

序 ことばの変化と場所――方言とは何か? 方言はなぜ存在するのか?――

第Ⅰ部 ことばと物と場所と

第1章 気候と再命名――「とうもろこし」とモロコシ――
 1 渡来作物
 2 渡来作物名の外国地名
 3 外国地名の使われ方
 4 不思議なモロコシ
 5 優良作物としてのモロコシ
 6 「玉蜀黍」のモロコシと「蜀黍」

第2章 弱い固有名詞の強い力――「じゃがいも」で連鎖する類音牽引――
 1 渡来作物としての「じゃがいも」
 2 渡来作物方言の語構成と「じゃがいも」方言の特性
 3 甲州の清太夫
 4 甲州による「じゃがいも」の変化
 5 弱い固有名詞の強い力

第3章 方言・人名・地名の地理的関係――山口県に山口さんが多いわけではない――
 1 方言と人名、方言と地名の位置 
 2 地名・人名・方言
 3 名字と都道府県名
 4 名字と市町村名――長野県――
 5 名字と令制国名(旧国名)
 6 方言・人名・地名の関係 

第Ⅱ部 ことばのぶつかり合い

第4章 同音衝突の成立――庄川流域の「桑の実」と「燕」――
 1 桑の実と養蚕 
 2 「桑の実」と「燕」の同音衝突
 3 「桑の実」の類音牽引・民間語源・異分析

第5章 同音衝突の本質――「虫」と「神主」、「煮こごり」と「大根汁」――
 1 相補分布する同音衝突
 2 地図で見る同音衝突
 3 「虫」たちと小盆地宇宙
 4 「にこごり」と「大根汁」の四〇年
 5 相補分布と同音衝突の本質

第6章 同音衝突と変化のスピード――「とうがらし」と「ピーマン」――
 1 「とうがらし」と「ピーマン」
 2 「とうがらし」と「ピーマン」の同音衝突
 3 変化の場所と速度

第Ⅲ部 ことばの混ざり合い

第7章 民間語源再考――「ひっつきむし」と男性器――
 1 ひっつきむし 
 2 「ひっつきむし」の二つの変化
 3 べべは「衣類」だったのに…
 4 民間語源を考える 
 5 能動的同音回避の回避相手
 6 男性器とお爺さん
 7 舞台は「やまうら」

第8章 混淆――混ざり合う「そばかす」――
 1 混ざり合うことば
 2 方言の接触と混淆
 3 「そばかす」の疑似混淆――ヘークロ――
 4 そばかすの混淆――ハークソ――
 5 混淆・民間語源・コンタミネーション

第9章 有縁性・有縁化
 1 形と意味
 2 言語記号の恣意性と有縁性
 3 有縁化
 4 有縁化による引き寄せと回避
 5 有縁化の変動
 6 有縁化と世界
 7 終わりなき有縁化

第Ⅳ部 文法の変化と方言の形成

第10章 文法の変化と分布――「仕事に行かないで遊ぶ」多様性――
 1 否定の付帯状況
 2 否定辞+助詞型
 3 否定辞+補助動詞型
 4 コナシ型
 5 文法化と広さ

第11章 文法変化の発生・拡大・完成――否定過去のンカッタと受身の助詞――
 1 動詞の否定過去形
 2 ンカッタの拡大
 3 ンカッタの完成
 4 助詞のダイナミックな変動
 5 領域の形成

第Ⅴ部 方言の地理空間

第12章 方言分布の基本則――距離と縮尺、語彙と文法――
 1 方言と距離
 2 基本と例外
 3 広域と狭域
 4 大縮尺と小縮尺
 5 方言分布の基本則

第13章 方言の地理空間と視点――方言はなぜ存在するのか――
 1 意見が合わない父と母
 2 視点の異なり
 3 方言周圏論と方言区画論のその後
 4 「区画」再考
 5 方言はなぜ存在するのか

あとがき

各章の関連論文・関連発表
本書を著すにあたって活用した研究課題

索引