本の特送便 梅書房 > > 「人種」「民族」をどう教えるか 創られた概念の解体をめざして
978-4-7503-5128-5 「人種」「民族」をどう教えるか 創られた概念の解体をめざして | ||
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【内容】 社会的に創られた概念であるのに、実体化されて差別や偏見を生んでいる「人種」「民族」をどう教えるか。学術的見地からみた正しい認識と、これまでに日本や海外で行われた授業実践の蓄積を踏まえて、教師が教えるための小・中・高の授業プランを提案する。 |
【目次】 序章 今、「人種」「民族」を問う意義[中山京子] 第Ⅰ部 教育において「人種」「民族」はどう認識され、論じられてきたか 第1章 「人種」とヒトの多様性――学校でのまなびのために[竹沢泰子] 1.「コーカソイド」「モンゴロイド」「ネグロイド」と西欧中心的な世界観 2.ヒトの多様性をいかに教えるか 3.日本における人種主義 4.むすびに代えて――それでも「人種」「民族」を教える意味 第2章 「人種」「民族」とは何か[中山京子・東優也] 1.「人種」は概念である 2.「人種」と「民族」 3.人種主義 4.新たな人種差別を生む「人種化」 5.本書における「人種」 コラム① 「人種」の言葉の起源[東優也] 第3章 「人種」に関する認識[東優也・中山京子] 1.「人種」「民族」に関するアンケート調査の先行研究 2.大学生を対象としたアンケート調査 3.教師の認識 4.子どもの認識 5.結語 第4章 社会系教科の教科書記述に見る「人種」「民族」[東優也・太田満] 1.先行研究が指摘する問題点 2.小学校における明治時代から現在までの教科書記述の変遷 3.小学校における明治時代から現在までの教科書記述の問題点 4.現在使われている中学校社会科教科書の記述 5.小中高等学校の教科書記述に見る人種記述の構図と問題点 6.結語 コラム② 小・中学生に「人種」「民族」をどう教えるか[太田満] 第Ⅱ部 日本と外国で「人種」「民族」について授業でどう教えられてきたか 第5章 日本における「人種」「民族」を取り上げた授業構想[東優也] 1.日本の中等教育における「人種」に関する授業 2.世界史教育における「人種」概念の再考――高橋健司の実践を例に 3.先行事例の考察 4.おわりに 第6章 アメリカの初等・中等学校の人類学教育における「人種」言説と実践――1930年代~1960年代を中心に[森茂岳雄] 1.1930年代から1940年にかけての人類学教授論における「人種」言説 2.1950年代から1960年代初頭の人類学カリキュラムにおける「人種」学習論 3.1962年から1970年代初頭にかけての人類学カリキュラム・プロジェクトの教材に見る「人種」 4.結語 第7章 外国では「人種」「民族」をどのように教えているか 7.1 アメリカ・オーストラリアにおいて「人種」「民族」はどのように教えられているか[中山京子] 1.アメリカ人類学会による教師用手引き“Race”より三つの授業案 2.「人種」「民族」をテーマにした二つの授業案 3.オーストラリア社会福祉省による「文化と人種、民族性」 4.事例の考察 7.2 台湾では先住民族についてどのように教えられているか――民族学習としての族群関係教育課程の可能性[森茂岳雄] 1.台湾における族群の創出と原住民学習 2.族群関係教育課程の構想 3.結語――民族学習としての族群関係教育課程の可能性 第8章 「人種」と「先住民族」に関する学習 8.1 「人種」概念と「先住民族」[中山京子] 1.「先住民族」が現れる構図 2.「人種」と関わって「先住民族」を教育でどう語るか 8.2 「人種」と日本の先住民族[太田満] 1.レイシズムと日本の先住民族 2.アイヌ文化学習の先にあるもの 3.沖縄の米軍基地問題と「人種化」 8.3 「人種」とアメリカ先住民族[中山京子] 1.アメリカ先住民族のルーツ 2.「食人種」としての「人種化」 3.多様性と「レッドパワー」 4.メディアや観光産業が創り出す「インディアン」 5.アメリカ先住民族をテーマに「人種」「人種化」の視点から授業をつくる 8.4 「人種」とパシフィック・アイランダー[中山京子] 1.「パシフィック・アイランダー」の出現 2.植民地主義時代による混血とマリアナ諸島の先住民族チャモロ 3.「人種」「民族」は外からも中からも創られることを教える 第Ⅲ部 学校で「人種」「民族」をどう教えるか 第9章 「人種」をテーマにした授業づくりのために[中山京子] 1.日本の教育風土が生んだ学問と教育現場の乖離 2.教師にとっての「ヒトの多様性」と「区別」 3.教室で「人種」を扱うことの難しさ 4.身近なものを教材として活用することから始める 第10章 「人種」を問い直す授業実践 10.1 低学年児童と肌の色による区分や「肌色」表記を考える――グローバルな見方・考え方の育成をめざして[東優也] 1.「肌色」と「肌の色」 2.単元「人のちがいとはだの色」の概要 3.子どもたちの学びの軌跡 4.おわりに 10.2 「人」へのまなざしを考える小学校実践――「人種化」された人びとや「人種」概念について考える[東優也] 1.「特別の教科 道徳」の指導内容項目「国際理解・国際親善」に位置付ける 2.単元「人へのまなざしを考える」の概要 3.子どもたちの学びの軌跡 4.おわりに コラム③ 「ハンセン病」と「人種化」[中山京子] 10.3 「人種」という言葉を問い直す――だれもが自分らしく生きられる社会をつくるために[織田雪江] 1.「人種」という言葉を生徒と問うきっかけ 2.単元の構成 3.小単元「『人種』という言葉を問い直す」の概要 4.生徒の学びの軌跡 5.おわりに コラム④ 「ハーフ」か「ダブル」か――「人種」的に混合している人たちのための権利の章典[太田満] 第11章 小学校における授業構想 11.1 小学校中学年の子どもと主人公を色で強調することを考える――絵本やモノから「いいのかな」を探す[中山京子] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 11.2 高学年児童に「人種は創られた概念である」ことを教える――「人種」はない?[中山京子] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 第12章 中学校における授業構想 12.1 民族問題やレイシズムを現代日本の事例から考える――沖縄の人びとの意識と米軍基地[太田満] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 コラム⑤ 人種主義と部落問題[太田満] 12.2 分離するアメリカ、混合するアメリカ――多民族社会の形成と「人種」[森茂岳雄] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 コラム⑥ Hapa――ハイブリッド化するアメリカ社会[森茂岳雄] 第13章 高等学校における授業構想 13.1 ナチス時代の「ドイツ人/ユダヤ人」から「人種」を考える[高橋健司] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 13.2 歴史総合の授業で不可視化された先住民族の過去を考える[太田満] 1.単元開発に向けて 2.単元の詳細 あとがき 索引 執筆者紹介 |