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本の特送便 梅書房 > 新装版 部落を襲った一揆
978-4-7592-4059-7 新装版 部落を襲った一揆
新装版 部落を襲った一揆
¥2,090   在庫有り
上杉聰/著

解放出版社

2011年11月

社会/社会問題/同和問題


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【内容】

農民や市民が被差別部落民を差別によって殺すということがありうるだろうか。

あらゆる制度が大変革をとげようとした明治。政府が公布した新政策を阻止しようと各地で農民一揆が起こった。そのなかで「賤民廃止令」反対一揆は西日本を中心に20件を超えた。

なぜ、残虐な部落襲撃がなされ、なぜその事実は覆い隠され続けてきたのか。史料分析と岡山・兵庫・四国・福岡の現地調査をもとに、一揆の経過と真相を明らかにする。

差別のため無念のうちに殺されていった多くの人々への鎮魂の書。


【目次】

はじめに


第一章 岡山・明治六年初夏

 ひとつの石碑
 殺された者の水平社宣言
 白装束の男
 奇怪な噂
 前夜の謀議
 一揆起こる
 最初の部落襲撃
 炎上
 酒で水車がまわる
 「さながら昼のごとし」
 進撃
 衝突
 美作全土に拡大
 加茂谷の暴威
 三部落の協議
 「穢多でようござんす」
 津川原の抵抗
 竹槍
 麦畑の中を
 津川原の陥落
 老女の死
 落石
 山火事
 大庭での一夜
 竹槍で胸もとを
 差別の強制
 被害者意識と殺意
 部落民の選別
 九人の惨殺
 母親みえ
 正視の影
 士族の仲介
 二つの顔をもつ要求書
 賤民廃止令の撤回
 士族の指導?
 広がる部落襲撃
 うすれる記憶
 覚えられた顔
 誇りはもっていても
 日上部落の一揆参加
 「屠牛だけは許さない」
 みじめな敗退
 悲しみの祝い歌


第二章 賤民廃止令の公布

 明治維新と賤民廃止令
 廃止令誕生の秘密
 廃止令の衝撃
 解放の始まり
 勝利の宣言
 なぜ一揆が起きなかったのか
 少数者ゆえの困難


第三章 兵庫・明治四年秋

 最初の部落解放反対一揆
 締めつけ
 土下座を捨てた日
 「竹槍仕事になるぞ」
 一揆勃発と奇妙な噂
 「反農民」の証明
 下層農民の決起
 「外国人がやってくる」
 外国人と部落
 姫路への攻撃
 一揆と高木部落
 恐怖の涙
 闇夜のなかで
 燃える生野鉱山
 食い止めた部落襲撃
 農民のうめき
 痛恨の碑


第四章 四国・明治四年冬

 道後湯の差別
 膏取り一揆
 部落民を清める?
 便器のたとえ
 一揆のお告げ
 戸波部落の闘い
 暗夜の襲撃
 坂折部落の抗戦
 「百姓を穢多にする!?」
 一揆の自壊


第五章 岡山・明治五年春

 村ぎめ
 闇夜のリンチ
 殺意の暴発
 裸の土下座
 「穢多征伐」
 酒盛り
 「敵は部落」
 「敵を残すな」
 渋染一揆の伝統


第六章 屠牛反対一揆から明治六年夏へ

 天皇と部落
 天皇の肉食
 悪政のシンボル
 燃える屠牛場
 屠殺への差別
 開化と復古の谷間
 農民一揆の光と影
 「子う取り姿さん」
 報復の放火


第七章 福岡・明治六年夏

 風呂屋での出来事
 静かな対立
 寺院への期待
 天地を震わす念仏の声
 「いずれなにかが起こる」
 雨乞いの夜
 闇夜の乱闘
 予想外の効果
 一揆への変貌
 部落の一揆参加
 士族の共感
 「穢多は従来通りに」
 波打つ竹槍
 「これはおれの一揆じゃなかばい」
 堀口村の闘い
 あぶりだされた農民の心
 「穢多狩り」の始まり
 県庁炎上
 「部落が放火にくる」
 「穢多狩り」の嵐
 だまし討ち


おわりに

資料・明治初年の部落解放反対騒擾年表・地図


【おすすめ】

賤民廃止令を「解放令」と信じ立ち上がった部落の人々を襲う一揆が各地で頻発。残虐な襲撃の真相を明らかにし、差別を問う鎮魂の書。