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本の特送便 梅書房 > 奈良監獄物語 若かった明治日本が夢みたもの
978-4-7780-3543-3 奈良監獄物語 若かった明治日本が夢みたもの
奈良監獄物語 若かった明治日本が夢みたもの
¥1,320   在庫有り
寮美千子/文
磯良一/絵

小学館クリエイティブ

2019年6月

教養/ノンフィクション


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【内容】

奈良の町を見下ろす丘に美しい刑務所がありました。明治時代につくられたその赤煉瓦の建物は罪をつぐなう人々を見守り戦後は少年刑務所として傷ついた子どもたちの心を抱き、癒し、育みました。人生を再出発するための希望の場所として設計された旧奈良監獄一〇九年の歴史を描く後世に語り継ぎたい物語です。


【目次】

坂の上の赤煉瓦
美しい刑務所
明治五大監獄
黒船来航と不平等条約
ギス監から近代的監獄へ
囚人たちが積んだ赤煉瓦
五翼放射状舎房
暗い時代
阿修羅さまたちの疎開
若草理容室
花火
監獄法の改正
やさしさを響かせる楽器
取り壊しの危機
町の人々の願い
喜びと悲しみ
別れの演奏会
未来への船出

資料編
 奈良監獄建築配置図
 明治五大監獄
 旧奈良監獄の歴史


【おすすめ】

奈良監獄は司法省の建築技官だった山下啓次郎(ジャズピアニストの山下洋輔氏の祖父)が設計しました。明治政府は不平等条約の撤回を目指していましたが、諸外国は「きちんとした司法制度がない」「まともな牢獄がない」「受刑者の人権が守られていない」という理由で応じませんでした。そこで政府は、受刑者の人権に配慮した立派な刑務所を作るべく、山下を海外視察に向かわせました。山下は38か所の刑務所の建築を見てまわり、帰国後、全国五カ所にレンガ造りの監獄を設計しました。こうした奈良監獄の設立の理由や社会背景、明治から昭和にかけての人権問題、戦後になって少年刑務所として使われてからの更生教育や職業訓練にも力を入れるようになったことなどを、イラストを交えて描いてあります。刑務所のレンガの美しい壁は、少年たちを社会から隔離するためのものでなく、差別や虐待で傷ついた心の傷を癒すための防波堤であり、社会復帰を目指す受刑者の学校や職業訓練の場所だったということがよくわかります。そんな建築物を明治時代に設計・建設していたことに驚きます。『奈良監獄物語』は、そうした歴史的変遷や役割を一人称で語る大人も楽しめるノンフィクション絵本です。