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978-4-7845-1587-5 サラー 西サハラ難民アスリート | ||
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【内容】 1982年にアフリカのラスト・コロニーに生まれた難民アスリートのアマインダン・サラー。祖国西サハラの独立を求めて走り続ける。現在フランスに「亡命」。難民五輪選手団の一員として、オリンピック競技への出場をめざしている。 |
【目次】 プロローグ 1 難民アスリートのアマイダン・サラー 2 モロッコ占領下の西サハラで育つ 第1話 走りの天才――シドニー五輪の前年に逮捕される 1 サラーが誕生した1982 年 2 少年、モロッコ・ランナーをぶち抜く 3 血染めの旗のために走った? 4 18 日間の拷問地獄 第Ⅱ話 走りは武器――砂漠の民の「許されざる者」 1 西サハラ国旗を掲げてゴールイン! 2 家族に連座罰を科すモロッコ:暗殺されたサラーの弟アバチカ 3 サハラマラソン:西サハラ難民キャンプの恒例国際マラソン大会に参加 4 サラー記録映画 5 ペルソナ・ノン・グラータ(許されざる者) 第Ⅲ話 走り続ける――西サハラ独立に向けて 1 ペルソナ・グラータ(好ましい人) 2 アフリカにコロナ禍 3 サラーにコロナ禍 4 昨日のオリンピックは明日のオリンピックではない 5 オリンピックに出ても出なくても走り続ける 資 料 篇 1 映像と本と記事 2 頭文字略語と外国語名称のミニ解説 3 西サハラ独立運動小史と日本 エピローグ |
【おすすめ】 プロローグ 東京オリンピックを誘致する時のキャッチフレーズに、福島復興オリンピックという大義名分がありました。2011年東日本大震災の爪痕が生々しく残る頃で、オリンピック商売に異議を唱える人々も不承不承納得しました。筆者もその一人でした。 しかし、結局、福島復興はなおざりにされたままで、オリンピック商売ファーストに絞られ、貧乏人や難民とは別世界の話へと展開していきました。そんな2019 年10 月11 日、西サハラ難民政府青年スポーツ大臣から、森喜朗2020東京オリンピック組織委員会会長に宛てて、ある難民アスリートの推薦状が届きました。オリンピックに参加する方法はないか? という問い合わせです。推薦された難民アスリートが、アマイダン・サラーでした。IOC(国際オリンピック委員会)やTOCOG(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)にサラーを紹介しようと、彼のスポーツ歴を調べていくうちに、「このアスリートこそが、西サハラの受難を伝えるのに最適任者ではないか」という思いに至りました。 そして、美男子サラーの魅力をもってすれば、世界の人々も忘れ去られた〈アフリカ最後の植民地・西サハラ〉に目を向けてくれると、確信したのです。(以下、本書) |