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本の特送便 梅書房 > ワークルール教育のすすめ
978-4-8451-1630-0 ワークルール教育のすすめ おすすめ
ワークルール教育のすすめ
¥1,320   在庫有り
道幸哲也/著

旬報社

2020年6月

法律/労働法


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【内容】

学校で、職場で「ワークルール」はどう教え、学べばよいのか?いま、社会的な関心が高まっている「ワークルール教育」。豊富な経験をもとに、(1)ワークルール教育の必要性、(2)働く者の権利実現の仕組み、(3)ワークルール教育の具体的な内容と方法を、明らかにする。



【目次】

 なぜ、「ワークルール」教育か

 ワークルール教育への個人的接近

 この本を書いた目的/本書の構成


第1部 ワークルール教育への社会的関心

 第1章 ワークルール教育の基礎知識
  1 ワークルール教育とは何か
  2 実際の教育内容

 第2章 ワークルール教育への個人的な取り組み
  1 ワークルール教育教育のための社会的仕組みへの関与
  2 ワークルール教育についての個人的な経験・印象

 第3章 ワークルール教育をめぐる社会的機運の醸成 


第2部 権利主張に対する職場の抑圧システム

 第1章 労働法上の権利内容
  1 個別労働契約上の権利・義務の確定
  2 労働契約の展開過程

 第2章 権利主張・行使に対する抑圧
  1 法の建前と抑圧構造
  2 法的な知識・理解の必要性
  3 労働契約締結過程における抑制行為
  4 権利主張・行使を理由とする不利益取扱い
  5 権利行使・意見表明につき抑圧的な職場環境
  6 使用者による裁判等を利用した反撃


第3部 ワークルール教育の構築

 第1章 ワークルール教育をめぐる主要論点

 第2章 権利実現のためのワークルール教育
  1 権利実現の仕組みとワークルール教育
  2 ワークルール教育として何を教えるか 一つの試み
  3 ワークルール教育がなぜうまくいかないのか


「はじめに」より

 「労働法」教育ではなくなぜ「ワークルール」教育か。まずこの点から説明したい。その理由は、このテーマに取り組む実践的意義の違いに由来する。労働法学は、職場や労働をめぐる法がどのような規制をしているかを理論的に解明することを目的とし、労働法教育もこの理論面を教育することを主目的とする。条文や判例法理の「実務的な」学び・教育と言ってよい。実務的とは最終的には裁判所で使えることを意味し、法学部レベル、司法関係の専門家レベルが主に想定される。

 それに対し、ワークルール教育は、それを学ぶ目的が職場において働く主体が自らの権利を実現するという実践的目的をもち、教育はそのためのものになる。具体的には次の点に留意している。

 その一として、学ぶ対象は、働くことに関連するあらゆる事象に及ぶ。子育てや自分の病気との関連で働き続けるためのルール等、労働法以外の社会保障法に関連する事項も対象となる。

 その二として、教育内容は働く際に知っておくべき法的な知識・考え方なのであらゆる働く人を対象にする。一般市民が理解しやすいわかりやすい表現、概念で説明する必要がある。実際には、基本的には学校教育(中学校・高等学校)で行うことが想定される。

 その三として、個々の主体がどうしたら実際に権利主張ができるかに配慮する。そのためには、前提として法的なルールの特徴や労働法の全体像の知識が必要であり、それをふまえて「具体的紛争の解決」に着目する。具体的には、①問題の認識・発見、②関連する法的ルールの把握、③権利実現の手立て、についての検討が必要になる。

 その四として、具体的紛争をめぐる以上の検討は、主に対立構造での議論を通じておこなう。対立する議論を通じて、なにが問題か、どのような利害が対立しているか、どのようにそれを調整・解決するかを学ぶ。重要なのは、労使紛争の解決とは何か、解決の意味、さらに法的なレベルの限界についてまで配慮する事である。「労働法」的な議論ではなかなかここまでは検討は難しい。ここでは、実際に働く主体としての市民的感覚が重要視される。

 その五として、権利実現の観点から既存の判例法理(実務)に対する批判的な視点も身につけることも目的とする。これは、労働法制に対する社会的な評価・改正運動の基盤となる。