本の特送便 梅書房 > > 渡辺治著作集 第2巻 明治憲法下の治安法制と市民の自由
978-4-8451-1716-1 渡辺治著作集 第2巻 明治憲法下の治安法制と市民の自由 | ||
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【内容】 政治的自由」をめぐる明治憲法と日本国憲法との違いは何か!? 天皇制国家の専制的性格を明治憲法の構造、治安維持法の成立過程とその果たした役割から明らかにする。 緊急事態法制と現在の改憲問題を論じた第Ⅲ部「緊急事態法制の展開」は書き下ろし。 |
【目次】 Ⅰ 明治憲法下の市民的自由 1 明治憲法の構造と市民的自由 2 戦前日本における政治的自由をめぐる攻防 ―自由主義憲法学・憲法思想の挑戦と限界 Ⅱ 治安維持法の成立と展開 3 治安維持法成立史論 ―1920年代における天皇制国家の治安法制再編成をめぐって 4 治安維持法の成立をめぐって 5 ファシズム期の言論統制と治安維持法 ―記事差止、目的遂行罪と転向政策 Ⅲ 緊急事態法制の展開 6 近代日本における緊急権発動の歴史と現代改憲 |
[本巻の検討対象] 本巻は、「明治憲法下の治安法制と市民的自由」と題して、天皇制国家の専制的性格を、市民的自由とりわけ政治的自由保障の脆弱性に焦点を当てて検討した6本の論文からなる。 第Ⅰ部「明治憲法下の市民的自由」は、明治憲法の自由保障の構造がいかに自由保障にとっては脆弱であったかを概観し、また、その焦点となる政治的自由の制限と自由の拡大をめぐる攻防を検討した。 第Ⅱ部「治安維持法の成立と展開」は、戦前天皇制国家の市民的自由規制を象徴する治安維持法が、実は第一次世界大戦後における新たな革命運動の登場による既存の治安法制の危機に対処する現代的治安立法として登場したことを解明した。 第Ⅲ部には、現代改憲論で改めて浮上している緊急事態規定改憲論が念頭に置いている明治憲法下の緊急権法制とその猛威を振り返り、戦後の改憲論の中での緊急事態改憲論の推移を概観した書き下ろし論文を収録した。 本巻収録の多くの論文は、「解題にかえて」で書いたように、いずれも1970年代中葉、筆者の最も早い時期の論文である。こうした論文を執筆したときの筆者の関心は、市民的自由、とりわけ「政治的自由」は、それ自体かけがえのない人権であると同時に、民主主義の不可欠の土台をなすものであり、天皇制国家の専制的性格は、単に民主主義の欠如、不全にあるのみでなく、政治的自由の体系的抑圧にこそ表れているのでは、という点にあった。 本巻所収の論文の問題関心はそこにある。 |