本の特送便 梅書房 > > 沖縄戦75年 戦火の記憶を追う
978-4-87498-742-1 沖縄戦75年 戦火の記憶を追う | ||
¥1,980 | ||
|
||
お問合せ・ご注文 口コミを見る(0) |
【内容】 さまざまな地域に記者が足を運び、多くの沖縄戦体験者の話に耳を傾け、紡いでくれた言葉や文字を記録する。織物を織るように証言を丹念に編むことで、多様な沖縄戦の姿が浮かび上がってくる。 前作『沖縄戦75年 戦禍を生き延びてきた人々』と合わせて100名を超える貴重な証言は、過酷な戦争体験に基づく平和への深い願いだ。 戦後75年の「沖縄戦報道」の集大成! |
【目次】 ◆プロローグ 沖縄戦75年 2020年 Ⅰ 「戦争死」に向き合う―沖縄戦75年追悼の内実 ■住民虐殺=金城トミ子さん(88歳) *日本兵に壕追われ、暗闇の中逃げる 斬られた子の腹から腸が… *戦争美化の肯定に危機感 敵は日本兵だった ■「集団自決」(強制集団死)=大屋初子さん(84歳) *住民は死を望んでいなかった 「国は殉国死と賛美」と識者は指摘 ■収集遺骨の「転骨」=大城藤六さん(89歳) *“自分たち”で弔うと、集落で転骨に抵抗 死後も国の支配に違和感 国立墓苑へ各地から遺骨 ■「平和の礎」の理念=高山朝光さん(85歳) *追悼式を慰霊から平和発信へ 「礎」建立で不戦を誓う ■戦傷病者戦没者遺族等援護法(援護法)=石原絹子さん(83歳) *妹たちの生きた証しを残したい 戸籍修正を国は認めず ■平和ガイド=森根昇さん(79歳)、照屋盛行さん(80歳) *皇民化教育の反省継ぐ 戦争美化には史実で対抗 ■平和教育=中村彩花さん(17歳)、諸見里真知さん(17歳) *学校では続く試行錯誤 多忙な教師、体験者減少にどう対処 Ⅱ 首里城と第32軍司令部壕 1.第32軍司令部壕―激戦招いた“負の遺産” *全長1キロ、首里城地下横断 学徒動員、24時間体制で構築 *留魂壕-鉄血勤皇師範隊の拠点 動員された学徒226人戦死 *首里城を標的、猛攻で壊滅状態 *「戦争と平和を追体験できる場」 保存と公開求める声 △識者談話/吉浜忍さん―南部撤退が住民を巻き込む 2.戦火の首里城―地下に眠る32軍壕 ■「沖縄新報」職員 許田 肇さん(96歳) *首里城がない *紙面の「戦果」と異なる現実、目疑う *迫る米軍、首里を逃れて南部へ *なぜ沖縄が戦場に…… ■紅型作家 城間栄順さん(86歳) *司令部壕の枠板を小屋の柱に *父と共に紅型復活へ歩み ■鉄血勤皇師範隊 古堅実吉さん(90歳) *首里の城下で学ぶ高揚感は一転、軍作業へ *母を呼ぶ友の声、今も耳に ■血勤皇師範隊 故 金城福一郎さん *極限の体験、家族へ託す *息子ら「親父の戦争」配信 ■一中鉄血勤皇隊 与座章健さん(91歳) *戦争に翻弄された記憶、今も鮮明に *重労働の日々に、多くの学友も失う 3.第32軍司令部壕の保存、公開、活用に向けて △[特別評論]32軍壕公開の意義―「軍は住民守らぬ」の教訓継承 △[単眼複眼]32軍壕保存・公開検討委員会 *世論に押され知事決断 戦争と平和学ぶ貴重な場 *32軍壕を平和学習の場に 牛島司令官の孫・貞満さん現場歩く *現場での公開を要望 32軍壕検討委設置、関係者ら歓迎の声 △識者談話/新城俊昭さん―戦跡生かす平和学習を Ⅲ 記者が歩く戦場の爪痕 ◎特攻艇秘匿壕 北谷町 *片道切符、悲痛さ込み上げ ◎クマヤーガマ 北谷町 *米軍上陸まで数百人が避難 10・10空襲で防空壕に整備 ◎161・8高地陣地 中城村 *激戦、米軍の南進に抵抗 日本軍、動き監視し戦闘指揮 ◎日本軍トーチカ 読谷村楚辺 *海岸岩場に銃眼刻む 米軍上陸の前に放棄 ◎奉安殿・忠魂碑 沖縄市知花 *皇民化教育の象徴 中に御真影、通る時は最敬礼 ◎前田高地 浦添市前田 *険しい崖巡る激戦地 住民の半数超が犠牲に ◎与那城監視哨跡 うるま市屋慶名 *10代若者が24時間の監視任務 10・10空襲を通報、今も残る弾痕 ◎公益質屋跡、アハシャガマ 伊江村 *壁の大穴が「激戦」を語る 「集団自決」、慰霊の念やまず ◎伊江村民収容地跡 名護市久志 *飢えと闘い帰郷待つ マラリアで亡くなった人も ◎コージガマ 恩納村 *狭い空間に身を寄せ避難 無抵抗の住民は命をつなぐ ◎名蔵白水の戦争遺跡群 石垣市 *軍命による避難で住民犠牲に 避難指定の山はマラリアまん延 ◎ヌーザランミ特攻艇秘匿壕 宮古島市 *兵士自らの「棺おけ」を格納 米軍上陸に備え出撃訓練 ◎ヌヌマチガマ 八重瀬町新城 *全長500メートル、白梅学徒が傷病兵看護 朝鮮人軍夫、「慰安婦」も ◎前川民間防空壕群 南城市玉城 *住民が掘った約60基の防空壕 沖縄戦の縮図、「集団自決」も ◎糸満市 山城壕 *一家5人が生き埋めに 国が整地、跡形もなく ■フォローアップ *戦跡の文化財指定1・9%、風化や資料不足が要因 *調査の困難さ壁に 市町村、証言収集との両立課題 △識者談話/吉浜忍さん―再調査し保存の議論する時期 Ⅳ 記事で繋ぐ現代と沖縄戦 ■「自粛警察」戦前と酷似 牧師・平良修さん(88歳) *異なる行動許さぬ空気 *軍国少年の記憶と重なる ■終わらぬ女性への性暴力、根底に軍隊の構造的問題 *各配備地に慰安所 *“新たな戦争” *氷山の一角 ■沖縄戦証言に圧力――教訓継承を封じる動き *「震える少女」 *座間味島「集団自決」 △識者談話/安田浩一さん―沈黙強いる空気まん延 Ⅴ 戦後75年座談会 沖縄戦の継承を考える ◆戦禍の教訓、次世代へ *新型コロナの影響 *沖縄戦75年の課題 *追悼式や平和行政 *第32軍壕の公開・保存 [出席者] 中山きくさん(県立第二高等女学校白梅同窓会会長) 高山朝光さん(元知事公室長、沖縄ハワイ協会顧問) 宜寿次政江さん(編集者) 石川勇人さん(ピース・ブリッジ代表、沖縄国際大学4年生) 島袋貞治さん=司会(琉球新報編集局社会部長) Ⅵ 県民、読者と刻む沖縄戦 1.壕の中で 親川委代さん(85歳)/親川委代さん(85歳)/津波高徳さん(86歳) 比嘉初枝さん(83歳)/古波鮫孝子さん(81歳) 2.捕らわれた日 比嘉由照さん(82歳)/大城 強さん(82歳)/安里祥徳さん(90歳) 幸地賢造さん(84歳)/山城正常さん(86歳) 3.収容所で 岳原初子さん(86歳)/山入端立雄さん(85歳)/與儀喜省さん(101歳) 豊永スミ子さん(81歳)/宮城定吉さん(85歳)/登川吉雄さん(89歳) 金城潔さん(89歳) |
【おすすめ】 沖縄戦体験を語り、学び、つなぐ意味は「悲劇を繰り返さない」誓いである。いつまでも「戦後」のままであり続けるために……。 |