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本の特送便 梅書房 > 奄美・喜界島の沖縄戦 沖縄特攻作戦と米軍捕虜斬首事件
978-4-87498-772-8 奄美・喜界島の沖縄戦 沖縄特攻作戦と米軍捕虜斬首事件 新製品
奄美・喜界島の沖縄戦 沖縄特攻作戦と米軍捕虜斬首事件
¥3,300   在庫有り
大倉忠夫/著

高文研

2021年11月

人文/日本史/戦争史


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【内容】

沖縄特攻の中継基地となった喜界島で、米軍の猛烈な空爆を生き抜いた著者が30年かけて調査した特攻作戦と米軍捕虜斬首事件の真実。


【目次】

はじめに──なぜ私がこの本を書いたのか

第Ⅰ部 特攻基地への序奏

1 日本海軍航空隊の揺籃期
2 不時着飛行場建設の謎
3 喜界島が経験した過去唯一の戦争──琉球王尚徳との戦い
4 謎の海軍機の飛来
  のどかな草原のヒコウジョウ/赤トンボの大編隊/謎の海軍機の飛来

第Ⅱ部 喜界島で見た沖縄特攻作戦

第一章 近づく沖縄戦
1 飛行場拡張工事が始まる
2 陸軍由良隊の任務と疎開勧誘
3 県道を横切った滑走路
4 田村部隊の配備と第三二軍(沖縄守備軍)参謀長らの来島
5 南西諸島海軍航空隊(巌部隊)の喜界島派遣隊
6 舟艇特攻隊
7 その他の海軍部隊
  海面砲の部隊/電波探知器の部隊
8 初空襲の民間人死傷二六名
  艦上爆撃機一八機による初空襲/小野津集落の惨状と湾商店街での悲運
9 近づく戦場の気配
  庭に造った簡易防空壕/花良治沖で撃沈された特攻艇運搬船/陸軍六航軍が海軍の指揮下に
10 国民学校生徒だった私の敵機見張り役
  教師が届けてくれた通信簿/動員された一三歳
11 全滅した「桜花」遠征特攻隊を援護した戦闘機の喜界島不時着
  遠征「桜花」特攻隊の無惨な結末/喜界島に辿り着いた六機の「零戦」/特攻「建武隊」と「神雷爆戦隊」編成のいきさつ
12 喜界島中継の非特攻夜間雷撃隊
  焼き払われる集落/米艦船攻撃へ非特攻雷撃隊発進/米側資料にみる非特攻雷撃隊による〝戦果〟
13 沖縄特攻の先駆け
  喜界島からの神風特攻「菊水隊」の出撃/米軍の反撃か飛行場反復急襲
14 初めて見た米軍飛行士の死体
15 消火する私たちを覗き見る米軍機
16 非特攻でも犠牲が多い雷撃隊


第二章 米軍、沖縄本島上陸後の喜界島

1 米軍、沖縄本島上陸の日の喜界島
  上陸即日飛行場整備/海軍喜界航空基地司令・佐藤少佐の着任/「神雷部隊」第三建武隊の四機が進出
2 巌部隊幹部らを沖縄に運んだ旧式の九六式陸上攻撃機
  非特攻の夜間雷撃隊の連夜の出撃/対空砲隊の死闘/九六式陸上攻撃機、米軍上陸の沖縄に強行着陸
3 陸海軍の非特攻出撃にも使われた喜界島基地
  奄美大島・喜界島上空の空中戦/陸、海ともに非特攻出撃に利用した喜界島基地/攻撃を逃れ不時着する偵察機
4 陸軍の特攻基地にもなった喜界島
  陸軍の第一飛行攻撃集団長が来島、作戦指揮/日増しに増える集落の被害/激化する地対空の戦闘/盲人夫婦の死
5 「菊水一号作戦」の日の喜界島
  特攻出撃機二九七機、うち未帰還が二一二機/不時着も命がけの喜界島基地
6 捕虜になった日米両軍の航空兵
  喜界島発進特攻兵の生死の謎/空母ホーネットの甲板日誌/米機搭乗員捕虜・トマス少尉
7 猛爆にさらされ続けた飛行場と隣接集落
  奮闘する飛行場守備の対空砲/不時着機を隠した民家の敷地/爆弾で一掃された家財/暗夜の逃避行
8 陸軍特攻専用の様相となった海軍基地
  民間機乗員養成所出身者の特攻出撃/大上少尉の最期
9 戦艦大和「特攻艦隊」攻撃に向かう米軍機大編隊
10 ムヤ隠りのわが家の暮らし
  幽霊も雲散霧消/ムヤと埋葬の風習/水なし火なしトイレなし/米軍機の休憩中の水汲み
11 連日出撃した陸軍特攻
  「九七戦」(高等練習機)の特攻隊出撃/混乱する出撃基地の記録/続く集落民の被害/徳之島からの一機だけの出撃
12 「菊水二号作戦」前日の喜界島
  喜界島からも少年特攻兵の出撃/戦艦ミズーリと空母エンタープライズへの攻撃/夥しい日本軍機の残骸/
  第七〇一海軍航空隊司  令・木田大佐の喜界島着任
13 「菊水二号作戦」決行の日の喜界島
  海軍航空隊も指揮した陸軍大佐/沖縄・小禄の巌部隊本隊との無線連絡は続く/「紫電改」の空中戦/米軍機の軍民無差別爆撃
14 米軍による制空権下の出撃つづく
  米軍機に昼夜監視される喜界島基地/特攻死を、「男子の本懐」と書いた遺書/「まだ子どもではないか」
15 喜界島東方海域での大規模戦闘
16 「今一息と思うも兵力続かず…」
17 不時着搭乗員の喜界島脱出
  喜界島方面空襲「昨今閑散」なり/救出輸送機を待つ不時着搭乗員/終日、島を襲った猛爆
18 陸軍の「第四次航空総攻撃」と喜界島基地
19 米軍の電話を傍受した通信班
20 特攻機に突入された病院船
  「特攻の成果、下火なるが如し」/特攻機、病院船に突入/「ゲリラ戦を以てせば降伏の要なし」
21 トマス少尉斬首さる
  一七〇余機来襲、戦闘指揮所に直撃弾/深夜の空中投下で弾薬補給/爆弾痕の穴で斬首されたトマス少尉
22 ますます熾烈、米軍機との攻防
  宇垣長官のムッソリーニとヒトラー人物評/延べ一五〇機、ひっきりなしの襲撃/奄美大島から船で緊急弾薬輸送/
  被弾しての不時着機、続出
23 連日猛爆を受ける喜界島
  延べ一八〇機来襲、沖縄基地からの発進も/哨戒、爆撃ともに「低調」とは言うけれど…/破壊と修復のいたちごっこ
24 米軍提督、集落焼き払い指示?
  荒木集落に焼夷弾大量投下/ミッチャー提督の疑心暗鬼
25 目撃した米軍機撃墜の瞬間
  対空機関銃が続けざまに三機撃墜/高角砲による撃墜光景
26 米軍搭乗員、二人目の捕虜
  設営隊が捕まえた米搭乗員/慶大出身クリスチャン特攻隊員の遺書
27 特攻機に突入された旗艦空母
  喜界島基地の粉砕に向かっていた空母バンカーヒル/石嶋少尉の戦死の謎/「最近稀に見る現象なり」?/
  ミッチャー提督、再度の受難
28 撃墜された米軍機とわが家の馬
  行方不明になった馬/落下傘生地のシャツ/生きていたわが家の馬/海軍部隊「陸戦配備」信令一号
29 離陸直後に撃墜された不時着機の搭乗員救援機
  「出張」という名の指揮官の喜界島「脱出」?/不時着搭乗員救援機の悲劇/殊勲の米軍機も消息を絶つ


第三章 米軍の島嶼上陸作戦と喜界島

1 米軍の喜界島上陸作戦
  宇垣長官の慨嘆/米軍の沖縄攻略作戦の中に含まれていた「喜界島上陸」/「上陸地点は当方面なる算極めて濃厚なり」
2 迎え撃つ喜界島の日本軍戦力
3 全島民に対する軍指定壕への集合命令
  「集合命令に従わぬ者は銃殺」の布告/五航艦参謀長、喜界島利用作戦を変更/ひどかった軍指定の避難壕/
  避難先の高地から見た空襲の光景
4 不時着特攻隊員・水川中尉の行動の謎
  練習機まで出撃した特攻/非特攻夜間雷撃隊の不時着/喜界島から発進した最後の特攻機
5 山中で斬首されたキンカノン大尉
  練習機特攻「白菊」の不時着/不時着搭乗員に遺書を託す島の兵士/陸海の航空協同作戦終わる/
  偶然に見た処刑直前のキンカノン大尉
6 米軍の上陸なく、山を下る
  避難命令の解除/略奪に走った兵士も/島民収容の壕に自爆装置?/再びムヤ生活始まる
7 米軍の島嶼上陸作戦は終了か
  米軍、鹿児島湾でも搭乗員救出/海軍・五航艦は陸軍・六航軍にお付合い?/伊平屋島攻略で島嶼上陸作戦止まる


第四章 沖縄・巌部隊本隊の動向と喜界島派遣隊

1 小禄と喜界島に物糧空輸
  小禄に迫る米軍部隊/米艦隊を襲った迷走台風/沖縄海軍部隊・太田実司令官からの訣別電/
  漂着した少年特攻兵の手記/米軍包囲下の沖縄・巌部隊からの返電/弾薬の輸送「喜界島は成功なるも……」
2 隠密特攻の喜界島潜伏
  「伏勢し奇襲するほか方法なし」/天皇周辺の「時局収拾」の動き/喜界島に潜伏した爆装零戦隊(空母撃沈の夢)
3 島民手漕ぎの糧秣輸送隊
  沖縄出身漁師を中心に糧秣輸送隊を編成/糧秣隊の出港
4 生き残った沖縄・巌部隊本隊の仲間
  「御嘉尚…以て冥すべし」と言うが…/海軍沖縄司令部の崩壊/沖縄・巌部隊総員斬り込み出撃の結末/
  瀬戸際で残った沖縄・巌部隊/第一次糧秣輸送隊の帰還/奄美から捕虜移送水上機に乗った陸軍特攻兵
5 軍幹部のよからぬ噂
  幹部将校と酒と「慰安婦」/静かな南部集落で島民爆死/手漕ぎの第二次糧秣輸送隊
6 沖縄守備軍の崩壊と特攻
  海軍は練習機、陸軍は新鋭機/変わって来た空襲の様相/最後の沖縄航空総攻撃「菊水一〇号作戦」/
  「面白からざりし六月去れり」
7 第三次糧秣輸送隊をめぐる空気
  空爆は減ったが米軍機は空にあり/糧秣輸送隊の家族の不満
8 「親子爆弾」──民間人殺傷目的か
  「親子爆弾」の恐ろしさ/宇垣長官「山河残らずも国亡びざれば良し」/島民心理「爆音を聞かぬ日は淋しく不安」/
  B29重爆撃機九機も来襲、民間人の空爆死一日で二五人/喜界島には今なお「潜伏特攻隊」が五機


第五章 敗戦の日が近づく喜界島

1 艦上機による空爆は終息か
  中里集落の〝完全消滅〟/放置される「潜伏特攻隊」/長官は「神風」頼み
2 大型機による「親子爆弾」の怖さ
  沖縄出身漁業者らの受難/続いていた沖縄海域への夜間雷撃
3 潜望鏡が折れた陸軍潜水艇の入港
4 米軍機動部隊は北上
  大挙来襲した艦上機の空爆で呉軍港は大損害/喜界島にも重爆撃機B29来襲/陸軍不時着残留組の最終送還/
  「米軍最後の沈没船」/宇垣「米英に無条件降伏を勧告すべし」
5 五航艦司令部、鹿屋から撤退する
  宇垣招待に欠席した鹿屋市長/沖縄本隊と連絡途絶の喜界島派遣隊/幻となった連合航空艦隊司令長官への昇進/
  第二国民兵として島民召集/原爆の惨害と宇垣長官の反応/塩焚きと不時着機/ソ連の対日参戦と宇垣長官
6 ポツダム宣言受諾決定の日の喜界島
  観艦式のように明るい沖縄米艦船群/再来搭乗員が驚く喜界島集落の惨状


第六章 最後の沖縄特攻と喜界島基地の終焉

1 徹底抗戦を主張する宇垣長官
2 喜界島潜伏特攻隊への出撃命令
3 第二神雷爆戦隊の出撃とその結果
  爆装「零戦」五機の発進/揚陸輸送艦ラグランジの戦闘報告/戦略的にも戦術的にも無意味な特攻
4 特攻実施日を誤った記述の検証
  出撃日を誤認した著名文献/戦史研究者らが間違える原因
5 日本降伏の前日の喜界島
  最後の御前会議/夜間雷撃隊「天山」二機不時着
6 日本降伏の日
  戦争が終わったってどういうこと?/在島陸海指揮官会議は対策立たず/「震洋」特攻隊には緊急離島命令
7 宇垣長官の最期
8 松林兵曹と便乗した下森兵曹の悲運
  残った第二神雷爆戦隊長・岡本中尉の決断/松林兵曹と便乗の下森兵曹の不運
9 鎌倉・建長寺の「神雷の碑」
10 戦後見た喜界島集落の惨状
  低空で飛び回る米軍機/変わり果てていた集落/今も歌い継がれる「復興歌」/喜界島の戦争被害の概況
11 私が見た航空基地の跡
12 米軍による日本軍の武装解除
  連合国軍最高司令官の厚木進駐と日本国の降伏/沖縄で生き抜いた巌部隊本隊の降伏/主役不在の南西諸島日本軍の降伏/
  武装解除前に喜界島に飛来した米軍小型機/消えた米軍捕虜の死体/喜界島の陸海軍武装解除/陸海軍部隊の喜界島からの撤退


第Ⅲ部 BC級戦犯裁判「喜界島事件」の検証

1 喜界島捕虜斬首事件発覚の端緒
  戦後の米軍政下の喜界島/BC級戦犯調査「特命情報員」の来島/逮捕まで一年半を要したのはなぜか/「BC級戦犯」とは何か
2 検察官が想定した事件の骨格
  ずさんな「公訴事実」/検察官が想定する事件の構造
3 裁判の立役者たち
  米国陸軍第八軍による軍事裁判/軍事委員会メンバーの所属と階級/裁判に勝つために真相を隠す検察官/
  元将官の偽証は迎合か故意か/斬首実行者の供述は無視/検察官が頼る相被告人の証言/供述調書の提出で主尋問は終了?/
  翼をもがれた鷹か、米軍指定弁護人/日本人弁護人の立場──建前と実態/飛鳥田一雄弁護士の述懐/
  通訳も付けられなかった日本人弁護人
4 法廷で真相は明らかになったのか?

[トマス斬首事件]
  狙いは佐藤少佐に二つの「絞首刑」?/「ノル・プロス」申し立ての真意/取調べが検察官の主尋問?/
  証言の信憑性を崩す反対尋問は不当?/裁判長が検察官に取って代わる/弁護人の「無効審理」の申し立て/
  第八軍法務部弁護部長を召喚した裁判長/佐藤少佐の供述調書/木田大佐の供述調書と法廷でのやりとり/
  吉田中尉の供述/谷口兵曹長の供述/横井参謀長の証言/口裏を合わせた木田証言と横井証言/参謀長の「供述変更」/
  「伊藤大尉」の存否をめぐって/階級が上なら指揮権なしに命令できる?/検察官を優位に立たせた横井証言/
  横井参謀長の嘘─①/横井参謀長の嘘─②/横井参謀長の嘘─③/横井参謀長はなぜ嘘を吐いたのか/
  佐藤、谷口には絶望的な弁護側反証/海軍軍令部のトミオカ少将の証言/五航艦参謀・福原中佐の証言/
  巌部隊喜界島派遣隊の四人の証言/日本人弁護側が実行者・谷口を証言台に立たせなかった/検察官の論告求刑/
  弁護人の最終弁論/判決

[キンカノン斬首事件]
この裁判の主要な関係者/今回も主謀者とされた佐藤少佐/求刑と判決

5 第八軍司令官による「承認」
6 連合国軍最高司令官の「確認」
  佐藤、谷口の死刑判決の確定/佐藤少佐の最期
7 佐藤少佐は最後に何を言いたかったのか?
  なぜ遺書がないのか/佐藤少佐の証言阻止の裏にある影
8 谷口兵曹長の「生還」の真因は何か
  死刑判決後に書いた谷口の訴え/死刑「確認」後の異例の減刑/南西諸島海軍航空隊(巌部隊)喜界島派遣隊最後の帰還兵

主な参考文献

[解説]沖縄戦研究にみる二つの空白 梅田正己


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もうひとつの沖縄戦

太平洋戦争末期、沖縄特攻作戦の中継地点であった「奄美・喜界島」から、陸海軍の様々な特攻機が沖縄へ向けて飛び立ちました。米軍は沖縄への侵攻と並行して喜界島航空基地(飛行場)を使用不能にするため、民家を含めた空爆作戦を繰り返し実施して島を壊滅状態にしました。

本書は、来襲する米軍機に対峙した海軍喜界島派遣隊による「戦闘日誌」と、喜界島島民の「戦災日誌」、海軍特攻作戦を指揮した宇垣纏中将の陣中日誌「戦藻録」を元にして、当時少年だった著者が、30年にわたる調査をまとめた執念の結晶です。