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9784272211197 9条の挑戦 非軍事中立戦略のリアリズム | ||
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【内容】 世界6位の海岸線、人口減少、グローバルな経済活動、膨らむ赤字国債――日本の現実を直視し、軍事によらない防衛戦略を構想する。 |
【目次】 第1章 憲法9条の防衛戦略 (伊藤 真) 1 はじめに 2 軍隊を持つのか持たないのか――安全保障政策を検証する (1)「国民の生命や財産を守るためには、軍隊が必要だ」 (2)「近隣諸国の軍事力増強に現実的に対応するためには軍隊が必要だ」 近隣諸国との武力衝突の歴史 中国による侵略の脅威 北朝鮮による侵略の脅威 (3)「攻められないように軍隊を持つべきだ」 (4)「独立した主権国家である以上、自分の国を自分で守る軍隊は必要だ」 (5)「専守防衛に徹する条件で軍隊を持つべきだ」 自衛の名の下の侵略 個別的自衛権の危うさ 文民統制 軍隊を持つことによる国民生活への影響 (6)非軍事中立戦略という安全保障政策 軍隊は何を守るのか 軍事力によらない安全保障 攻められたらどうする? 日本の叡智 3 自衛隊は合憲か違憲か――憲法9条の解釈論を整理する (1)戦争違法化の歴史 第二次世界大戦まで 国連憲章の武力不行使原則 武力不行使原則の例外 (2)日本国憲法9条1項の解釈 「戦争の放棄」の消極目的と積極目的 放棄される「戦争」の拡張 侵略戦争の放棄 (3)日本国憲法9条2項の解釈 「前項の目的を達するため」とは 戦力とは 自衛権 交戦権の否認 2項の先駆性 (4)自衛隊の合憲性 自衛隊違憲論 政府の立場 憲法学説における最近の合憲論 自衛隊の合憲性に関する判例 4 非軍事中立戦略から見た自衛隊憲法明記の弊害 (1)自衛隊違憲論の立憲的意味 (2)軍事力の拡大 (3)国防国家への傾斜 (4)国防目的による人権制約へ (5)自衛隊の憲法明記を議論する際に注意すること 第2章 憲法学は何を主張してきたか (神原 元) 1 はじめに 2 小林直樹教授の「憲法九条の政策論」(1975年) 「憲法九条の政策論」が書かれた頃の状況 「国防」の目的とは何か 現代防衛論批判 日米安保体制批判 自主防衛論の虚妄 非軍事による国防 まとめ 3 深瀬忠一教授らの「総合的平和保障基本法試案」(1987年) 「総合的平和保障基本法試案」提案の背景 基本法という手法 自衛隊をどうするか 軍縮プログラムと国連中心の平和維持機能強化、そして世界連邦構想へ まとめ 4 水島朝穂教授の「自衛隊の平和憲法的解編構想」(1997年) ポスト冷戦期の平和構想 冷戦後の自衛隊の「存在理由」 自衛隊解編構想の概要 安保条約はどうするか まとめと「解編」公表後の世界情勢 5 非軍事中立戦略は現代に通用するか 冷戦構造崩壊後の状況 核戦争の脅威は終わっていない 安保条約は有効か 自主防衛論は適用可能か 自衛隊は「改編」すべきか、それとも「解編」すべきか 基本法方式の有効性 国連との関係をどうすべきか まとめ 6 本章のまとめと結論 第3章 日米同盟と「専守防衛」のひずみ (布施 祐仁) 1 安全保障の「リアリズム」と「理想」 軍事力で防衛するのが「不向き」な国 本格的な侵略の可能性は低い 「軍備撤廃」の理想は放棄してはならない 2 憲法9条の「原点」 3 ゆがめられた「専守防衛」 米軍防衛に踏み出した「シーレーン防衛」 米世界戦略に組み込まれる自衛隊 日本を再軍備させたアメリカの意図 4 米軍依存と「見捨てられる恐怖」 「専守防衛」はアメリカの打撃力とセット アメリカが打撃力を行使する保証はない 「見捨てられる恐怖」か「巻き込まれる恐怖」か 5 周辺国の「脅威」にどう向き合うか 自衛隊も「矛」を持つ? 中国の海洋進出に対抗する「列島線防衛」 「中国海軍封じ込め」は日本防衛に必要か 6 日本の安全保障政策はどうあるべきか アメリカ依存から脱し、真の「専守防衛」に 北東アジアの集団安保体制と非核兵器地帯を 7 自衛隊員に対する責任 第4章 等身大の安全保障論 (伊藤 真・神原 元・布施祐仁) 1 9条をさかのぼる 両親は戦争体験世代 西ドイツでの生活と愛国心 冷戦終結 湾岸戦争以後 宮田光雄著『きみたちと現代』と非武装中立 軍隊は自己増殖するもの すでにある自衛隊 1995年、広島と沖縄 防衛政策をどこまで戻すのか 2 安全保障とは何なのか 膨らみつづける防衛費 希少資源の分配が政治の本質 納税者の自覚 貧困と排外主義 象徴化した安全保障 安全保障イコール軍事ではない 3 9条改憲で何が変わるのか まちがいなく変わる自衛隊 「必要な自衛の措置」は無限大 徴兵制の可能性 自衛隊員のPTSDを内包する社会 民主主義を非民主的なもので守るのか? 等身大の安全保障 |
【おすすめ】 「9条改憲」の対案はこれだ! 軍事に頼らず守ることは“お花畑”なのか。 世界6位の海岸線をもつ地理的条件、少子高齢化、人口減少、グローバルな経済活動、膨らむ赤字国債……。 日本社会の現実を直視し、日米安保や自衛隊によらない防衛戦略への転換を探求する。 |