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9784780309867 体罰と戦争 人類のふたつの不名誉な伝統 | ||
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【内容】 体罰と戦争で傷つき、死ぬ子どもたち。体罰は「しつけのため」戦争は「国を守るため」。暴力―人類はいつ、この悪しき伝統を止めるのだろうか。暴力とは何かを問い続けてきた森田ゆりの人間のいのちと尊厳を守る渾身の書。 |
【目次】 1 体罰と戦争の8つの共通点 共通点の1 それがよくないことだとわかっていても、やめられません 共通点の2 大義名分があります 共通点の3 死傷しトラウマに苦しむのは、社会的に弱い人々です 共通点の4 深刻な人権侵害行為です ・体罰は子どもの人権のバロメーター 共通点の5 「時には必要」と考える限り、なくなりません 共通点の6 絶対にしないと誓い、その宣言実行システムが必要です ・ベトナム戦争帰還兵の証言 ・体罰をしないと誓う法律が必要 ・体罰をなくせば暴力をなくせる 共通点の7 「不安」というあつかいの難しい感情をもたらします ・不安と恐怖が暴力に果たす役割 ・不安は伝染する ・思考停止の集団心理 共通点の8 どちらにも共通する「怒り」も、またやっかいな感情です 2 怒りの仮面 兵士の怒り―水木しげるの戦争記録 軍隊内の体罰・いじめ― 山本七平の『私の中の日本軍』 体罰は怒りの爆発 子どもたちの気持ちの絵 二次感情としての怒り 「怒りの仮面」を活用する―自傷と他者攻撃を減らすために 性暴力加害ティーンズ怒りの仮面 3 体罰とファシズム―ヒトラーの場合 ヒトラーに惹かれる少年たち― 2つのタイプ シンボルの威力 子ども時代の屈辱と喪失― 体罰を受けて育ったヒトラー 暴力への衝動 ファシズムを支えた大衆心理 4 ジェンダーと大量殺人―宅間守の場合 大阪教育大学附属池田小学校襲撃事件 ジェンダーと暴力 根深い女性への蔑視 面前DVと体罰の中で育つ 大量殺人の動機 怒りの仮面の裏の感情 男らしさの虚像一唯一のよりどころ 死刑確定 情性欠如=反社会性パーソナリティ障害 大量殺人は男の強さ フィンケルホーの男性の社会化論 感情の鈍磨 弱さの感情を許さない靖国神社― 山中恒の少国民研究 死刑の早期執行 5 体罰の6つの問題性と戦争の6つの問題性 体罰の記憶を思い出してみる 体罰の6つの問題性 1 体罰は、しばしばそれをしているおとなの感情のはけ口である 2 体罰は、恐怖感を与えることで子どもの言動をコントロールする方法 3 体罰は、即効性があるので、他のしつけの方法を使えなくなってしまう 4 体罰は、しばしばエスカレートする 5 体罰は、それを見ている他の子どもにも深い心理的ダメージを与えている 6 体罰は、時には取り返しのつかない事故を引き起こす 戦争の6つの問題性 1 戦争は、戦争がもたらすばく大な利権欲求のはけ口であることが多い 2 戦争は、不安と噓を蔓延させることで大衆の言動をコントロールする 3 戦争は、他の外交解決方法はないと思わせる 4 戦争は、小さな武力衝突や攻撃がエスカレートし長期化する 5 戦争に巻き込まれた人々の身体的、心理的ダメージは計り知れない 6 戦争は、取り返しのつかない殺傷と環境破壊を確実に引き起こす 6 戦争とトラウマ 国府台日本帝国陸軍病院の「病床日誌」 沖縄戦のトラウマ なぜ日本では戦争トラウマ研究が忘却されたか 男らしさ欠如の病と見なされた戦争神経症 アメリカ戦争帰還兵のトラウマ 本多立太郎さんの「戦争出前噺」 7 マイケル・ジャクソンの思想―子どもの癒しは世界の癒し 誤解され続けたポップ・スター 冤罪事件 キッズ・ヨーガとビリー・ジーンの出会い 子どもの知恵はすごい 宮沢賢治との共通点 「子どもをケアしよう」と呼びかける数々の名曲 非暴力のメッセージ 子どもの癒やしは世界の癒やし 父親からの体罰を告白 子どもの人権尊重の子育て論 あとがき いのちを慈しむ知恵を次世代に手渡す 参考文献 |
【おすすめ】 著者紹介 森田 ゆり (モリタ ユリ) 元カリフォルニア大学主任研究員、元立命館大学客員教授。 1981年からCalifornia CAP Training Center、1985年から5年間は、カリフォルニア州社会福祉局子どもの虐待防止室のトレーナーとして勤務。1990年から8年間、カリフォルニア大学ダイバーシティ・トレーナーとして、多様性、人種差別、セクハラなど、人権問題の研修プログラムの開発と大学教職員への研修指導に当たる。 1979年から今日まで、先住アメリカ・インディアンの人権回復運動を支援し、日本とインディアンとの交流に携わってきた。『聖なる魂―現代アメリカ・インディアン指導者デニス・バンクスは語る』(朝日新社社)で1988年度朝日ジャーナル・ノンフィクション大賞、『あなたが守る あなたの心・あなたのからだ』(童話館出版)で1998年度産経児童出版文化賞受賞。 1997年、日本でエンパワメント・センターを設立し、行政、企業、民間の依頼で、多様性、人権問題、虐待、DV、しつけと体罰、性暴力、ヨーガ、マインドフルネスなどをテーマに研修活動を続けている。アロハ・キッズ・ヨーガを主宰し、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設などで、とりわけ虐待のトラウマや脳神経多様性の子どもたちにヨーガを教えると同時にそのリーダーを養成している。2016年度アメリカン・ヨーガ・アライアンス賞受賞。 2001年、虐待に至ってしまった親の回復プログラム「MY TREE ペアレンツ・プログラム」を開発。各地にその実践者を養成し、過去18年間で1138人の回復者を生んでいる。第57回保健文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |