本の特送便 梅書房 > > ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代
9784787234582 ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代 | ||
¥3,240 | ||
|
||
お問合せ・ご注文 口コミを見る(0) |
【内容】 保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。 前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。 日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。 |
【目次】 はじめに 第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ――一九九〇年代前半まで 1 既成保守論壇から新保守論壇へ 2 『SAPIO』の登場とその後の右傾化 3 嫌韓アジェンダと反日アジェンダ 4 『SAPIO』の反日国家スキームの変遷 5 ジャパンバッシングの嵐のなかから 6 日本版反ユダヤ主義と陰謀論 7 「日韓論争」の展開 8 反日嫌韓スキームの成立 9 『醜い韓国人』をめぐる動き 10 歴史認識をめぐる神学論争 11 リベラル派対保守派の代理戦争 12 嫌韓アジェンダをめぐるいくつかの通説 第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ――一九九〇年代半ばまで 1 リベラル市民主義の盛り上がり 2 日本型市民社会論と戦後民主主義 3 市民主義への自己批判という問題意識 4 ユーフォリアのなかのリベラル市民主義ブーム 5 小林よしのりによる市民運動批判 6 市民主義批判から戦後民主主義批判へ 7 リベラル市民主義の擁護者としての『朝日新聞』 8 大月隆寛による市民主義批判 9 サブカル保守クラスタの形成 10 「市民」対「庶民」の階級対立 11 サブカル保守クラスタとオタク文化との親和性 12 戦後民主主義と戦闘サブカルチャー 13 「上から目線」へのアンチテーゼとして 第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ――一九九〇年代後半まで 1 東京裁判史観と歴史教科書問題 2 バックラッシュ保守クラスタの台頭 3 自由主義史観研究会から「つくる会」へ 4 サブカル保守クラスタからの流れ 5 権威主義と反権威主義との野合 6 戦前エスタブリッシュメントと戦後エスタブリッシュメント 7 右からの引力と左からの斥力 8 ホロコースト否定論と日本型歴史修正主義 9 サブカル保守クラスタと歴史修正主義アジェンダとの親和性 10 善悪二元論批判と歴史的物語観 11 三つのアジェンダの統合と新保守論壇の完成 第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター――一九九〇年代後半まで 1 ネット右派論壇の形成 2 密教を真に受けた人々 3 掲示板文化とメーリングリスト文化 4 ネット右派論壇を構成するサイト 5 新保守論壇の流れを汲む保守系セクター 6 右翼・民族派の流れを汲む右翼系セクター 7 保守と右翼との位置付けをめぐって 8 右翼・民族派をめぐる当時の状況 9 日本ちゃちゃちゃ倶楽部(日本茶掲示板)――保守系セクターを代表する存在 10 鐵扇會――既成右翼系クラスタを代表する存在 11 右翼共和派――新右翼系クラスタを代表する存在 第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ――二〇〇〇年前後まで 1 ヨーロッパ極右の流れを汲むネオナチ極右クラスタ 2 外国人労働者問題と外国人犯罪問題 3 ヨーロッパ極右をめぐる当時の状況 4 瀬戸弘幸と世界戦略研究所 5 篠原節と民族思想研究会 6 農本主義とエコロジー 7 「血と土」のイデオロギー 8 民族主義とディープエコロジー 9 反ユダヤ主義から外国人労働者排斥へ 10 山田一成と国家社会主義日本労働者党 11 ネオナチ極右クラスタの形成 12 ナチサブカルチャーへの強い志向 13 「三国人発言」と外国人参政権問題 14 日本茶掲示板と民団掲示板との論戦 15 嫌韓アジェンダと排外主義アジェンダとの結合 16 ネット右派論壇内部のカルチュラルポリティクス 17 サブカル保守クラスタとナチサブカルチャーとの親和性 18 民族主義の構造転換 19 差別主義への志向とカルト宗教 20 ナショナリズム・ナチュラリズム・スピリチュアリズム 第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ――二〇〇〇年代前半まで 1 ネット常民としての2ちゃんねらー 2 「ニホンちゃん」と観客民主主義 3 2ちゃんねる初の大規模な炎上騒ぎ 4 屈折した反権威主義の精神 5 プロ市民概念の発明 6 「悪い子」的キャラクターと「ダメな子」的キャラクター 7 ネトウヨ底辺説をめぐる誤解 8 反リベラル市民から反マスメディアへ 9 マスメディアのインチキを暴く 10 女性国際戦犯法廷とNHKの番組改変 11 朝日新聞叩きの系譜 12 明示的な偏向批判と暗黙的な特権批判 13 アングラネット論壇での朝日新聞不買運動 14 フジテレビ叩きに至る経緯 15 日韓共催ワールドカップサッカーをめぐって 16 韓流ゴリ押し姿勢をめぐる誤解 17 親殺しとしてのフジテレビ叩き 18 新旧メディアの階級対立 19 反日マスコミ批判の動き 第7章 ネット右派の顕在化――二〇〇〇年代後半まで 1 反知性主義の構造転換 2 エンジョイコリアでの日韓論争 3 ネイバー総督府とバファリン作戦 4 反知性主義対主知主義という構図 5 専門知対集合知という構図 6 集団思考と決断主義 7 嫌韓厨から嫌韓流へ 8 桜井誠と嫌韓コミュニティ 9 『マンガ嫌韓流』以降の嫌韓本ブーム 10 『WiLL』の創刊と「大人目線」の右傾化路線 11 チャンネル桜の開局と右翼・民族派への眼差し 12 動画共有サイトの普及とチャンネル桜による啓蒙 13 バックラッシュ保守クラスタの再興とその背景 14 権威主義と反権威主義との結び付き 15 決断主義とポピュリズム 16 シンボルとしての田母神俊雄 17 在日特権という発想 18 瀬戸弘幸のその後と西村修平 19 「行動する保守」の成立 第8章 ネット右派の広がりとビジネス保守クラスタ――二〇一〇年前後まで 1 ビジネス保守クラスタの形成 2 三橋貴明とビジネス保守クラスタの思想 3 日本青年会議所(JC)の右傾化 4 ビジネス保守クラスタのリアルな支え手 5 リベラル市民主義への復讐 6 ネット右派論壇のバージョンアップ 7 その後のネット右派の成熟と停滞 8 響きと怒り、そして語り 9 大衆の原像と幻像 あとがき 人名索引 |
【おすすめ】 圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。 |