本の特送便 梅書房 > > 情動の社会学 ポストメディア時代における“ミクロ知覚”の探求
9784791770175 情動の社会学 ポストメディア時代における“ミクロ知覚”の探求 | ||
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【内容】 私たちはなぜ、感情に支配されてしまうのか。 多様なコミュニケーションツールがあまねく浸透したポストメディア社会。そこでは、時として真偽では測れない「情報」によって、社会全体はあらぬ方向へ駆動されていく。SNSなどのメディア・コミュニケーションの状況から、領土問題やオリンピックなどの政治問題まで、私たちの判断や思考を揺さぶる情動の問題系に、最新のメディア理論で挑む。 |
【目次】 序章――情動化する社会を読み解くために ガタリの三つのエコロジー論/ガタリの議論から三〇年が経過した「いま」/あらためてガタリの構想に立ち返る/本書の構成 第1部 第1章 デジタルメディア時代における言論空間――理論的探求の対象としての制御、情動、時間 デジタルメディア環境の劇的変化/コミュニケーションと言論に対する制御と制御不能のメカニズム/理論的焦点としての情動/政治的意思形成過程の質的変化と情動/言論空間の外形的な変化と準‐安定状態/時間という契機と経験概念の根本的な再考 第2章 「事態の潜勢態」をめぐって――ホワイトヘッドの「抱握」概念から はじめに/「純粋経験(pure experience)」とはいかなる経験か/ホワイドヘッドの「抱握」について/主体的形式/おわりに――情動のコミュニケーションの展開にむけて 第3章 知的感受と情動の強度――「感受」の公共的性格 はじめに/観念的感受における「価値づけ」/経験の高次の諸相――知的感受 /知的感受の相における情動の発現/感受の私的性格と公共的性格/小括 第4章 情動と社会秩序の宙づり――ホワイトヘッドとパースの社会学的射程 記号と情動/情動が触発されるとき/潜勢態が顕になること/情動とミクロ知覚、そしてマクロなポリティクス/情動のハイジャック 第5章 情動の政治――フクシマ、領土、オリンピック 領土/パースの記号論のなかの三つの解釈項/論理操作による脅威の自己生産/フクシマ、オリンピック/結びにかえて――時間と空間の操作技術 第2部 第6章 社会の地すべり的な転位――コミュニケーション地平の変容と政治的情動 メディア空間の拡張/電話からケータイへ、ケータイからソーシャルメディアへ/ソーシャルメディア空間のことばと身体/コミュニケーション・ネットワークの「逆転」「過剰」「変質」/コミュニケーション資本主義と情報のモジュレーション/終わりに 第7章 ポストメディア時代のコミュニケーション・モード――SNSは何を変えつつあるのか? 二○○○年代から急速に変化したメディア環境/必要とされるコミュニケーション・モデルの相対化/脱‐主知主義的コミュニケーションの試み/ソーシャルメディアがもたらす新しい環境/変容するコミュニケーションの基盤/地すべり的に転位するコミュニケーション 第8章 オーディエンス概念からの離陸――群衆、マルチチュード、移動経験の理論に向けて モバイルメディアを携帯する集合的主体は誰か/一九世紀のメディアと群衆/「ポストフォーディズム」社会におけるマルチチュード 終章――ポストメディア時代の行方と展望 あとがき 註・参考文献 索引 |