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本の特送便 梅書房 > がんで助かる人、助からない人
9784845114962 がんで助かる人、助からない人
がんで助かる人、助からない人
¥1,404   在庫有り
近藤慎太郎/著
出版社名 旬報社
出版年月 2017年3月
頁数・縦 207P 19cm

個数

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【内容】

「がん検診を毎年受けているので大丈夫」
「ピロリ菌がいないから胃がんにはならない」
「40代だから、まだがん対策は必要ない」
「タバコはNGだが、アルコールはOK」
「結局、がんになったら治らない」
これ全部、誤解です!

生死の分かれ目はココ! 年間10万人を救う、賢いがんとのたたかい方。がん専門医が自作マンガで解説します。

【目次】

第1章「治る」がんで死んではいけない

 日本人は、どのような病気で亡くなっているのか?
 がんvs.がん検診
 二人に一人はがんにかかる
 極端な「がん関連本」の罪深さ
 がん関連本の弱点
 さらに致命的な弱点とは
 「治る」がんは存在する
 がんになる割合とがんで死ぬ割合を比べると…
 本当に胃がんや大腸がんは「治る」がんなのか?
 胃がんと大腸がんはⅠ期なら9割以上治る 
 「治る」がんを見逃さないためのポイント
 がんになりにくい体質にするには
 予防できたことは認識できない
 男性五五%、女性三〇%のがんは予防できる
 『がんもどき理論』の非合理性
 一〇年生存率で見えてくるもの
 がんもどき理論は「後出しジャンケン」
 がんの治療は体に負担がかかる?
 がんで死ぬことは絶対にいけないのか?
 若くしてがんになるということ
 勝つことが決まっているたたかい

第2章 胃がんで助かる人、助からない人

 胃はなんのためにあるのか?
 胃がなくなったらどうなるのか?
 タバコで胃がんのリスクが上がる!?
 ヘリコバクター・ピロリ菌という最重要課題
 非常に高い日本人の感染率
 除菌したからリスクゼロではない
 ピロリ除菌はどれぐらい有効なのか?
 胃がんが減っても食道がんが増える!?
 医者さえも誤解しがちなピロリ菌
 症状がない=病気がないという誤解
 バリウム検査はラクではない
 胃カメラはやっぱり苦しい?
 胃カメラ検査をラクに受けるコツ
 自分に合った胃カメラを探す
 胃カメラとバリウム、がん発見率が高いのは?
 胃カメラのほうが優れている意外な理由
 胃がん検診は食道がん検診を兼ねている

第3章 食道がんで助かる人、助からない人

 食道の役割は?
 食道がんの手術は大がかり
 なぜ今、食道がんに注目するのか?
 食道がんは本当に「治る」がんなのか?
 がんのステージはⅠからではない
 進化する食道がん診断
 男性というだけで要注意!?
 やっぱりアルコールは有害なのか?
 「アルコール」×「タバコ」の破壊力
 禁煙一○年でリスク半減
 意外と怖い逆流性食道炎
 逆流性食道炎から発がんする! 
 逆流性食道炎を予防するためには
 食道がんはどうやって見つかるのか?
 ほかのがんを合併しやすい!

第4章 大腸がんで助かる人、助からない人

 大腸の役割は?
 大腸を手術したらどうなるのか?
 がんとポリープはどう違うのか?
 大腸がんのリスクを高めるもの
 肥満度は簡単に数値化できる
 便潜血検査の実力は?
 ポリープは便潜血検査で見つかるのか?
 「痔があるから陽性」は早合点
 便潜血以外の検査方法は?
 実績だったら大腸カメラと注腸検査
 将来性だったらCTコロノグラフィー
 興味深さだったらカプセル内視鏡
 やはり大腸カメラがおすすめ
 小腸は検査しなくていいのか?

第5章 賢いがんとのたたかい方

 一次予防と二次予防がカギ
 「どの検査」を「どのくらいの間隔」で受けるか
 なぜ健診と人間ドックは違うのか?
 健診はあなたを対象とはしていない!
 健診には限界がある/国が健康を守ってくれるという誤解
 医者は患者に過剰医療をしているのか?
 理想的な胃がん検診の方法・間隔は?
 理想的な大腸がん検診の方法・間隔は?
 なぜポリープは見落とされるのか?
 ポリープがなかった場合の検査間隔
 ポリープがあった場合はどうするか?
 おすすめのポリープ対処法
 信頼性の高い検査が大前提

第6章 ますます重要になるお金とがんの関係

 そしてお金の問題が残った
 早期発見できれば金銭的メリットも大きい
 医療の未来にたちこめる暗雲
 増加する自己負担額
 自分の健康は自衛する時代

おわりに

【おすすめ】

 本書を目にとめていただき、ありがとうございます。
 はじめに、私がなぜ本書を書こうと思ったのか、その理由からお伝えしようと思います。
私の専門は胃や大腸などの「消化管」という臓器です。消化管の病気にはさまざまなものがありますが、やはり一番大きな問題となるのは「がん」でしょう。
 今まで、多くの胃がん、大腸がんの患者さんを診てきました。早期のがんから進行がんまでさまざまですが、がんというのはどの段階にあるかによって治療方法がまったく違ってきます。もし肝臓など他の臓器に転移している場合には、外科手術ではなく抗がん剤を使った治療が中心になります。
 最近ではさまざまな抗がん剤を組み合わせることによって、進行した胃がん、大腸がんの患者さんでも元気に暮らせる時間を延ばすことができるようになってきました。
しかし…やはり完治させることはとても難しいのです。
 私は転移した胃がん、大腸がんを見つけるたびに、「もっと早く見つかれば『治る』がんだったのに…」と、とても悲しい気持ちになります。
 がんは時に難しい病気ですが、さまざまな種類があります。
 そして実は、胃がんや大腸がんのほとんどは、大事なポイントだけ押さえれば「治る」がんなのです。
 さらに、「治る」がんである胃がんと大腸がんが、すべてのがんのうちの実に三分の一の割合を占めているのです!
 私はこのとても大事な情報が、きちんと世の中に伝わっていない、と痛感しています。
 がんに対する情報はないわけではなく、むしろ世の中に氾濫しています。しかしその多くは、すべてのがんをひとくくりにした乱暴で極端なものばかりです。
 そしてその結果、がんに対する実にさまざまな誤解が広くまん延しています。
またあろうことか、がんを見つけるための「がん検診」についてさえも、重大な誤解が数多く潜んでいます。
 これらの二重の誤解を解かない限り、「がん検診を受けているから大丈夫」とすら言えないのです。
 そして結局、「治る」がんなのに、「治す」タイミングを逃してしまう方が、世の中にはたくさんいらっしゃるのです。
 なぜこのような深刻な事態が生じてしまうのかというと、みなさんが正しい医学知識から遠ざけられてしまっていることが原因です。日本の誇る優れた医療とみなさんをつなぐ、大事なピースが世の中には欠けているのです。
 がん対策で大事なことは、「患者数が多い」、「治る」がんを見極め、それに関するさまざまな誤解を解消し、医学的に正しい事実のみを実践することです。
 そして、それこそが、がんで「助かる人」と「助からない人」を分ける、重要なポイントなのです。
 本書では現場の医師が用いるガイドラインや信頼性の高いデータを使って、できるだけ客観的に、そして分かりやすく解説することに努めました。
 本書が医療とみなさんをつなぐ大事なピースになること。そしてその結果、みなさんが「治る」がんで命を落とすことなく、充実した毎日を送れるようになること。それが、私の心からの願いであり、本書を書いた理由です。
(「はじめに」より)