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本の特送便 梅書房 > 貧困問題の新地平 もやいの相談活動の軌跡
9784845115327 貧困問題の新地平 もやいの相談活動の軌跡 新製品
貧困問題の新地平 もやいの相談活動の軌跡
¥1,728   在庫有り
丸山里美/編
旬報社
2018年2月
社会/社会問題


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【内容】

2000年代に入って、日本では「貧困」が大きな社会問題になった。07年には“ネットカフェ難民”という言葉が流行語大賞のトップテンに入り、08年に起きたリーマンショックを発端とする「派遣切り」とその後の「年越し派遣村」は、メディアでも大きく取り上げられた。2001年に設立されたNPO法人自立生活センター・もやいは、こうした貧困問題の広がりと歩調を合わせるように、反貧困運動の中心的担い手として活動を続けてきた。
もやいがこれまで実施した生活相談の記録をもとに、日本の貧困がこの約15年間でどのように変化してきたか、そこからどのような問題点や課題が浮かび上がったか明らかになる。


【目次】

第1部 貧困はどう変わったのか
 第1章 もやいの歩みと日本の貧困
     はじめに
     1 もやいとは
     2 相談者の変遷
     3 相談員/相談体制の変化
     4 社会環境、政治状況の変化と制度改正
     5 「貧困」をめぐる変化ともやい
     6 もやいの今後とデータ分析という武器

【コラム1】もやいの日常活動

【コラム2】生活相談とは

 第2章 もやいの活動から見える貧困——単純集計・類似調査との比較・相談者の変化
     1 基本集計および類似データとの比較
     2 相談者の変化
     3 経年変化のまとめ——困難度が高まる相談者


第2部 貧困のかたち もやい相談者の実像
 第3章 「ホームレス問題」の多様性——「広義のホームレス」の実態と福祉制度
     はじめに
     1 「広義のホームレス」とは誰か
     2 「広義のホームレス」の属性
     3 就労状況と性別に見る「不安定居住」に至るルート
     4 過去の福祉制度との関係
     5 相談後の居所
     6 まとめにかえて——「広義のホームレス」に対する福祉制度の課題

 第4章 仕事と生活から見た貧困——働くことの困難・働けないことの困難
     1 仕事・生活の実態から見る貧困
     2 相談者はどのような仕事でどのように働いているのか
     3 相談者にとって働くということ——相談者の生活のなかの仕事
     4 小  括——不安定の制度化のなかで

 第5章 若年層の貧困の特徴——若者たちの生きづらさ
     はじめに
     1 若者相談者の状況
     2 労働市場と若者——機会と搾取
     3 家族という桎梏
     おわりに

 第6章 女性の貧困の特徴——女性は貧困にもなれない?
     はじめに
     1 量的データから見る女性の貧困
     2 事例から見る女性の相談
     3 女性の貧困の特徴

 第7章 繰り返される支援——公的支援との接合
     はじめに
     1 過去の公的支援利用経験者の特徴
     2 生活保護・自立支援事業の廃止理由
     3 制度利用経験と疾病状態
     4 複数回の制度利用経験
     小  括

【コラム3】相談者から見たもやい——当事者へのインタビュー


第3部 貧困問題の過去と未来
 第8章 対談 貧困はどのように問題化されていったのか
     貧困問題との出会い/ホームレス支援を始める/日雇運動の空気感
     /学生ボランティアから運動へ/ホームレス問題との出会い
     /もやいの源流/貧困と言い始める/もやいがメディアに出始める
     /派遣村の影響/貧困ブームは終わったか
     /安倍政権下での貧困問題/もやいの役割は終わったか
     /極限事例を打ち出すことの功罪/相対的貧困という概念
     /社会という感覚/普遍的なセキュリティ/貧困は経済的な問題だけではない
     /これからの貧困問題の語り方/奪われがたい人権

【コラム4】もやいのこれから

おわりに

年譜 もやいの設立から現在まで


【おすすめ】

 もやいの歩んできた道のりは、日本において貧困が広がり、それが問題化されていった過程と重なるものであり、もやいに相談を求めて集まる人びとの姿は、日本の貧困の縮図であるといえるだろう(本書「はじめに」より)。

◆もやいの生活相談記録からわかったこと
●もやいの相談者の姿をとらえることで、日本で貧困が問題化していく過程を知ることができた。
●「ネットカフェ難民」や知人宅に居候する人など、広い意味での「ホームレス」の人たちの存在を知ることができた。
●30代以下の若者が3割、女性が1割を占めるもやいの相談者。いま深刻化している若者の貧困や女性の貧困が、中高年や男性の貧困とどのように違うのかを知ることができた。
● もやいの相談者には、一度は生活保護などの公的支援を受けたことがあるにもかかわらず、それが途切れた状態で相談に来る人が3割含まれている。こうした人々を通じて、なぜ公的支援が生活の安定につながらなかったのか、現在の公的支援の制度にどのような問題があるのかを検討する材料になる。