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本の特送便 梅書房 > 崩れゆく文民統制 自衛隊の現段階
9784846119164 崩れゆく文民統制 自衛隊の現段階 新製品
崩れゆく文民統制 自衛隊の現段階
¥2,640   在庫有り
纐纈厚/著

緑風出版
2019年10月
社会/政治/軍事・防衛


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【内容】

24万人の自衛官を抱え今や世界有数の軍事力を持つ自衛隊に何が起こっているのか?

南スーダンPKO日報やイラク派遣日報の隠蔽問題、国会議員への自衛隊三佐の暴言問題で露呈したことは、防衛大臣が自衛隊制服組を全くコントロールできていない現実である。

いまや日本の自衛隊への文民統制(シビリアンコントロール)は崩壊しつつある。
本書は、自衛隊の現段階、とりわけ自衛隊制服組による自衛隊背広組の「文官統制」破壊の歴史的経過を詳述、自衛隊制服組の右翼的思想の膨張を分析し、民主主義国家の脅威となっている現実を明らかにする。
同時に、現行平和憲法を活かす方向性のなかで、自衛隊の文民統制、民主的統制をどのようにして実質化・現実化して行くかを提言する。



【目次】

はじめに 自衛隊で何が起こっているのか
   文民統制は機能しているのか
   戦争放棄の厳格化を求めて
序 章 着々と進む自衛隊の組織再編
 1 自衛隊加憲論をめぐって
   いまなぜ自衛隊加憲論か
   「戦力」が登場する
   自衛隊組織改編と文民統制の崩壊
 2 「統合作戦室」新設構想の狙いは何か
   「統合運用」が自衛隊再編のキーワード
   「統合作戦室」は誰が言い出したのか
   統合幕僚監部と自民党国防族との鬩ぎ合いか
   妥協の産物としての「新防衛大綱」
 3 外圧を利用する自衛隊
   創設の背景に「第四次アーミテージ報告」か
   自衛隊統合幕僚監部の不満
第一章 自衛隊の独走はいつから始まったか
 1 脅威の増大を口実にして
   自衛隊組織・装備強化の背景
   自衛隊の現状と問題点
 2 大手を振るう自衛隊の体質
   前面にでようとする自衛隊
 3 防衛大臣・統幕議長の職責とは何か
   余りにも酷い無理解ぶり
   確信的な憲法逸脱行為
第二章 防衛省設置法改正をめぐって
 1 何が変わるのか
   第一二条の変更
   文官統制とは何か
   改正案を支持する見解も
 2 改正案提出までの経緯
   鬩ぎ合う背広組と制服組
   防衛庁組織はどうなっているか
   文民統制の解釈変更を求める
   文官統制廃止に突き進む
第三章 文民統制の原点に帰る
 1 文民統制導入の背景
   「軍隊からの安全」のために
   政軍関係論の視点から
   軍人の自立は許されるのか
 2 シビリアン・コントロールをめぐって
   シビリアン・コントロールとは
   シビリアンとは誰のことか
   ミリタリズムとデモクラシー
   文民ミリタリスト
   リベラリズムとミリタリズム
第四章 文官統制成立の歴史を追う
 1 近代日本の文民統制史
   戦前期日本の文民統制
   文民統制導入の経緯
   文官スタッフ優位制
   任用資格設定と「訓令第九号」通達
   文官優位システムの確立
   防衛参事官制度の導入
   統合幕僚会議の見直し
   骨抜きされる文民統制
   文民統制の内実を問う
   『防衛白書』の記述内容
   自衛隊統制の方法
   安全保障環境の変化とは
 2 なぜ、文民統制は必要とされるのか
   シビリアン・コントロール論の出自
   軍隊への警戒と不信
   主要各国のシビリアン・コントロール制度
   政軍関係の四つのパターン
   シビリアン・コントロールの理念と目標
   シビリアンとは誰のことか
第五章 繰り返される逸脱行為
 1 揺さぶられ続けた文民統制
   三矢事件の衝撃
   栗栖発言の意図
   「訓令」廃止問題と「緊急事態統合計画」
   政治に奔走する制服組幹部
 2 独走する制服組
   海幕長の思惑
   陸自幹部の改憲案作成問題
   現行憲法を正面から否定
   〝法によるクーデター〟
   自衛隊の国民監視業務
   重大な憲法違反行為
   目立ち始めている国民への恫喝
第六章 政治活動に奔走する制服組幹部たち
 1 変貌する自衛隊の現状
   表出し始めた自主国防派の動き
   明らかな自衛隊の変貌
 2 文民統制を嫌悪する自衛隊
   自衛隊内に台頭する脱アメリカ志向
   九条否認と自主防衛
   機能不全に陥っている文民統制
第七章 自衛隊を統制するのは誰か
 1 目立つ自立志向
   民主主義社会における政軍関係の問題として
   文民統制見直し論の背景
   制服組は背広組をどう見ているか
   文民優越と文民統制の違い
   自衛隊の内部事情
   旧軍との連続性
   自衛隊の憲法認識
 2 制服組の文民統制観
   統合運用をめぐる角逐
   臨調が示す国家目標への対応
   ガイドラインが文民統制見直し要求に拍車をかける
   派兵国家日本に適合する文民統制を求める動き
終 章 文民統制の原点に立ち返るために
 1 文民統制をめぐる戦後論議の中身は
   シビリアン・コントロールと文民統制のあいだ
   文民統制に何を期待するのか
   文官スタッフ優位制で、なぜいけないのか
   文民統制を真剣に議論してきたのか
   現代における軍事の位置はどこにあるのか
 2 どのようにして防衛論議を深めていくのか・219
   戦後防衛論議のなかの文民統制
 3 理想としての文民統制の形とは
   日本型文民統制の課題と改善点は何か
 おわりに
   主要参考文献
   〈論 文〉
   〈単 著〉
 あとがき