本の特送便 梅書房 > > 奪われた野にも春は来るか 鄭周河写真展の記録
9784874985755 奪われた野にも春は来るか 鄭周河写真展の記録 | ||
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【内容】 韓国の写真家が撮った福島「苦痛の連帯」は可能か?「植民地主義」を視座にすえて、原発・原爆・戦争を日本各地(福島・埼玉・東京・沖縄・長野・京都)で語り合ったトークセッション全記録。 |
【目次】 1 福島―写真の美しさが語るもの 鄭周河×佐々木孝×徐京植 2 埼玉―自分の弱さを受容すること 鄭周河×東海林勤×早尾貴紀 3 東京―芸術の力とは何か 鄭周河×高橋哲哉×徐京植 4 沖縄―「苦痛の連帯」の可能性 鄭周河×韓洪九×比嘉豊光×鎌倉英也 5 長野―芸術の力とその役割をめぐって 鄭周河×窪島誠一郎×徐京植 6 京都―「想像上の境界線」を乗り越える 鄭周河×河津聖恵×徐京植 植民地主義という視点 高橋哲哉×庵逧由香×学生 |
【おすすめ】 本書は韓国の写真家鄭周河(チョン・ジュハ)による「奪われた野にも春は来るか」と題された写真展で展開されたトークセッションの記録です。 2011年11月から2012年3月にわたり福島を訪れた鄭周河が写し取ったのは、生々しい被災の様子ではなく、原発事故による放射能汚染にもかかわらず美しい自然や風景でした。 写真展は2012年3月から2014年7月の間に、福島、埼玉、東京、沖縄、長野、京都の6カ所を巡回。各会場では、計7回におよぶトークセッションが持たれ、「韓国、在日朝鮮、沖縄といった歴史的に深い関係を持つ『他者』からの問いにさらされながら」(高橋哲哉)パネリストと来場者が議論を重ねました。 「奪われた野にも春は来るか」は、日本統治下の朝鮮半島で植民地支配により「野を奪われた」ことをうたった韓国では有名な詩のタイトルであり、植民地支配による被害と原発事故による被害を重ねることについての議論が繰り返され、沖縄ではさらに厳しく「苦痛の連帯」の可能性、困難さが問われました。 また、タイトルの朝鮮の詩だけでなく、南相馬市小高区の高校教諭で詩人の齋藤貢、プリーモ・レーヴィの詩が紹介されるほか、鄭の作品を受けて河津聖恵が詩を創作するなど、放射能汚染という見えない被害を表現することにおいて、写真という視覚的な表現にとどまらず芸術の可能性、果たし得る役割についても、重層的に議論されました。 「奪われた野にも春は来るか」という問いかけとともに示された鄭周河の美しくも静かな作品。それによって引き出された市民による真摯な議論の全記録。 |