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本の特送便 梅書房 > 福沢諭吉と丸山眞男 「丸山諭吉」神話を解体する
9784874986059 福沢諭吉と丸山眞男 「丸山諭吉」神話を解体する
福沢諭吉と丸山眞男 「丸山諭吉」神話を解体する
¥3,996   在庫有り
安川寿之輔/著
出版社名 高文研
出版年月 2016年10月
頁数・縦 510P 20cm

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【内容】

「国のためには財を失ふのみならず、一命をも抛て惜むに足らない」と主張し、大日本帝国の「お師匠様」を自負した国家主義者・帝国主義者の福沢諭吉。その福沢を「典型的な市民的自由主義」の思想家としてイメージを定着させたのが丸山眞男である。今も最高額面紙幣を飾る「福沢神話」の製造者責任を問う!

【目次】

まえがき

Ⅰ 福沢諭吉の「大日本帝国憲法」=「教育勅語」体制評価
    ─丸山真男の無視した福沢の重要論説

はじめに─丸山真男の福沢諭吉研究の手法

1 〈『文明論之概略』=福沢の原理論〉の破綻を示すもの
    ─「日本国会縁起」「国会の前途」
A「権力の偏重」の排斥から受容へ
B 天皇制認識─「惑溺」排除から「愚民を籠絡する」欺術の利用へ
C 変革の肯定・主張から歴史的現実主義・封建制の肯定へ

2 「大日本帝国憲法」=「教育勅語」の賛美と積極的肯定
A「大日本帝国憲法」の手放しの賛美
B「教育勅語」評価──「時事新報」社説①
C「修身要領」の評価──「独立自尊」と天皇制
D「教育勅語」評価─「時事新報」社説②
E 丸山「福沢神話」に影響された具体的事例─小泉仰と山住正己など


Ⅱ 「大日本帝国憲法=教育勅語」体制受容への福沢の思想的道のり

1 福沢の忠孝思想─儒教主義「反対論」の中身
A 福沢の忠君論
B 福沢の孝行論
C 福沢の儒教主義「反対」論なるもの

2 初期啓蒙期自体の福沢の限界と変容の兆し
A 定式〈一身独立して一国独立する事〉の再検討
     ─四人の異なる『学問のすすめ』の読み方
B 国民国家克服への道のり─「良心的兵役拒否」を中心に
(1)丸山「学徒出陣」論文と徴兵忌避
(2)「国民国家論」から学ぶもの
(3)国民国家克服への道のり─今井弘道の書評に応えて

C『文明論之概略』第十章問題─〈『概略』=福沢の「原理論」〉の誤り再論
(1)『文明論之概略』も「時事論」
(2)『文明論之概略』第十章問題─作為の動員
(3)丸山真男における「原理論」と「時事論」の使い分け

D 変容の兆し─「覚書」の位置
 保守思想の確立=中期の福沢諭吉(一八七七~一八九四年)

A 保守思想への過渡としての『通俗国権論』と『民情一新』
(1)『通俗国権論』──権謀術数の戦争の勧め
(2)『民情一新』─文明国の階級対立認識と「清濁併せ呑む」現実追従主義
B 福沢諭吉と明治政府の関係
C『時事小言』と『帝室論』─保守思想の確立
(1)『時事小言』─「人為・権道」の国権論とアジア侵略の意思表明
(2)『帝室論』と『尊王論』─福沢の天皇制論
◇『帝室論』─「愚民を籠絡する……欺術」
◇『尊王論』─皇学者流の天皇制論
D 壬午軍乱と甲申政変─人為の国権論と排外主義
E 同時代人の福沢諭吉批判─「不可救ノ災禍ヲ将来ニ遺サン事必セリ」

4 「大日本帝国憲法」への道のり─欽定・プロイセン流・議会権限の制限


5 「教育勅語」への道のり

A 福沢の忠孝思想と教育勅語─丸山真男の福沢=「近代的人間類型」の虚構
B 福沢=「近代的人間類型」の誤り─七分の情に三分の理
C 日本魂・「完全なる文明開化人」・新華族制論
D 資本主義的階級社会の守護者・福沢諭吉

6 大日本帝国=教育勅語体制確立以後の福沢のあゆみ
A 労働運動・階級対立への警戒・警鐘─日本資本主義の守護者
B 日清戦争と福沢諭吉
    ─「文野の戦争」・巨額軍事献金・隠蔽報道・靖国の思想
C アジア太平洋戦争への道のり─日本近代化の道のり総体の「お師匠様」


Ⅲ 初期啓蒙期・福沢の思想の見直し―「天は人の上に人を造らず…と云へり」再考

1 思想史研究の方法─丸山真男の場合
2 「天は……と云へり。」問題
3 『学問のすすめ』初編における自由論─苦楚疼痛の「強迫教育」論
4 『すすめ』における自由と平等論─秩禄処分反対の建言書
A 福沢にとっての「自由」─「武者の道」の「面目名誉」
B 『すすめ』初編の平等論─教育万能論とその批判
C 福沢は断じて平等論者ではない
    ─「教育を受ける権利」の欠落と「教育の機会均等」の否定
D「廃藩置県」直後の「秩禄処分」留保の建言書

5 『すすめ』と初期啓蒙期福沢の国家観=人間観
    ─「天賦国権=国賦人権」的ナショナリズム


Ⅳ 福沢諭吉をどう評価するか
    ―近代日本最大の保守主義者の素顔と思想

1 素顔の福沢諭吉
A 長男の結婚をめぐって─あらわな士族エリート意識と町人蔑視
B 家父長制的女性差別論─娘の教育と女「乞食」への対応
D 「忠臣孝子」の日常性

2 思想家・福沢諭吉は転向したか
3 丸山真男の福沢諭吉評価─一貫する思想家福沢の主体的責任の無視
A 福沢の日中文明対比論─橋川文三と丸山真男
B 「教育と宗教の衝突」論争事件と久米邦武「神道は祭天の古俗」事件

4 福沢諭吉は近代日本最大の保守主義者である
A 丸山真男の「痩我慢の説」「丁丑公論」論
    ─丸山福沢研究の無理・破綻を示唆するもの
B 福沢諭吉は近代日本最大の保守主義者である


〈資料〉丸山真男の無視した福沢諭吉の重要論説
Ⅰ 〈『文明論之概略』=福沢の原理論〉の破綻を示すもの
Ⅱ 「大日本帝国憲法」=「教育勅語」体制の賛美と積極的肯定
Ⅲ 「大日本帝国憲法」=「教育勅語」体制への思想的道のり
Ⅳ 「大日本帝国憲法」=「教育勅語」成立以後の福沢諭吉

人名索引
あとがき

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