本の特送便 梅書房 > > 自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態
9784907127251 自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態 | ||
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【内容】 新基地建設現場220枚の写真、自衛隊の内部資料を駆使して描く、南西諸島の要塞化―島嶼防衛戦=東シナ海戦争の全貌を暴く! |
【目次】 プロローグ 6 ――急ピッチで進む先島―南西諸島の要塞化 第1章 与那国島に開設された沿岸監視部隊 18 ――果たして与那国にミサイル部隊は配備されないのか? 第2章 自衛隊の新基地建設を阻む石垣島住民 24 ――駐屯地建設に向けて動き出した中山市長 第3章 急ピッチで駐屯地建設が進む宮古島 32 ――要塞化する美ら島での住民たちの抵抗 第4章 軍事要塞に変貌する奄美大島 48 ――陸海空の巨大基地が建設される! 第5章 南西シフトの訓練――事前集積拠点・馬毛島 68 ――島嶼上陸演習場・米軍FCLP訓練場 第6章 沖縄民衆にも隠されて進む沖縄本島の自衛隊増強 74 ――空自那覇基地の増強で大事故は必至 第7章 与那国・石垣・宮古・南北大東島の「不沈空母化」 82 ――ヘリ空母「いずも」改修による本格空母より効率的か? 第8章 沖縄本島への水陸機動団一個連隊の配備 86 ――在沖米軍基地の全てが自衛隊基地に 第9章 日本型海兵隊・ 水陸機動団の発足 94 ――「島嶼防衛」不可能を示す「奪回」作戦 第10章 琉球列島弧を全て封鎖する海峡戦争 102 ――自衛隊兵力の半分を動員する「島嶼防衛戦」 第11章 「動的防衛力」から「統合機動防衛力」へ 106 ――「南西統合司令部」の創設 第12章 陸上総隊の新編は南西有事態勢づくり 110 ――軍令独立化による制服組の台頭 第13章 南西諸島への機動展開・動員態勢 112 ――進行する民間船舶の動員・徴用 第14章 先島諸島などからの戦時治療輸送 116 ――始まった「統合衛生」態勢づくり 第15章 強化される「島嶼ミサイル戦争」の兵器 120 ――巡航ミサイル、高速滑空弾、スタンドオフ・ミサイル、イージス・アショア 第16章 北方シフトから南西シフトへ 126 ――東西冷戦終了後の新たな「脅威」を求めて! 第17章 「東シナ海限定戦争」を想定する「島嶼防衛戦」 130 ――エアシー・バトル、オフショア・コントロールとは? 第18章 安倍政権の「インド太平洋戦略」とは何か 140 ――日米豪英仏印の対中包囲網づくり 第19章 先島―南西諸島の「非武装地域宣言」 142 ――かつて南西諸島は非武装地域だった 第20章 アジア太平洋戦争下の「島嶼防衛戦」 146 ――島嶼戦争では日本軍は玉砕全滅、住民は「強制集団死」 第21章 島嶼戦争の現場を歩く 150 |
【おすすめ】 ◇ 忖度か、政府による報道規制か 今、この日本で、戦慄する状況が進行している。 それは、本書で筆者がリポートする、先島―南西諸島への自衛隊の新基地建設、新配備に関するマスメディアの沈黙だ。 2016年6月の奄美大島、2017年10月からの宮古島駐屯地(仮)工事の着工、そして今、急ピッチで進む石垣島への自衛隊基地建設、沖縄本島での自衛隊の増強・新配備という、一連の自衛隊の南西シフト態勢に関して、マスメディアは、事実さえもほとんど報道しない。 マスメディアだけではない。従来、このような日本の軍拡や平和問題で発言してきた知識人らも、驚くべきほどの沈黙を守っている。 彼らは、この急速に進んでいる先島―南西諸島への基地建設について全く知らないというのか? そうではない。マスメディアは、日本記者クラブでの現地調査も行っており(後述)、平和問題で発言してきた知識人らも、幾人かが現地を訪れたことを筆者は確認している。 しかし、彼らのほとんどは依然として発言しないのだ。何故なのか? 筆者は、2016年夏から2017年にかけて、幾度か与那国島・石垣島・宮古島、そして奄美大島を訪ねて、その基地建設の現場を見てきた。 ◇ 拡大し続ける駐屯地と隊員 そこには与那国島を始め、防衛省・自衛隊当局が、地元に説明している事実とは全く異なる実態が隠されていた。 読売新聞の元記者は、与那国駐屯地へミサイル部隊の配備が予定されていることを記述しているが(『自衛隊、動く』勝俣秀通著・ウェッジ)、この駐屯地の敷地面積の広さや、与那国島の地理的位置からして不可避的に、ミサイル部隊の配備は必至といえるかもしれない。 最新の防衛省の発表では、「兵站基地」とされている与那国駐屯地の巨大弾薬庫も、それを表している。つまり、現在、先島―南西諸島で進んでいる基地建設は、沖縄世論を恐れて規模を縮小して行われているが、「宣撫工作」が成功すればするほど、拡大していくということだ。 ◇ ミサイル部隊の配備、そして琉球列島弧の要塞化 これを示しているのが、最近明らかになった先島諸島などへのミサイル部隊の配備問題だ。 2018年4月、国会で暴露された自衛隊の南西シフトの策定文書「『日米の『動的防衛協力』について」(統合幕僚監部)は、民主党政権下の2012年に作成されたが、この最初の南西シフト策定文書では、先島―南西諸島へのミサイル部隊配備は、明記されていないし、予定もされていない。つまり、この時期では沖縄世論を恐れて、ミサイル部隊配備は「有事展開」だったことが分かる。実際、この前後から自衛隊は、ミサイル部隊の「緊急展開訓練」を行っていたのだ(西部方面隊の「鎮西」演習など)。ところがどうだ。住民への宣撫工作成功とみるや否や、自衛隊は先島、奄美ばかりか、沖縄本島への地対艦ミサイル部隊の配備まで打ち出したのだ(2018年2月)。 そればかりではない。先島をはじめ、南西諸島の民間空港へF35B戦闘機を配備するという、凄まじい事実までが発表された。 それは、与那国島・石垣島・宮古島・南北大東島などの民間空港を軍事化し、F35Bの基地に使用するという計画だ。 マスメディアでは、このF35Bの運用については、ヘリ空母「いずも」などの改修による本格空母の導入が注目されているが、短期的に採用されるのは、南西諸島の民間空港の軍事化である。 つまり、先島―南西諸島は、対艦・対空ミサイル部隊などの基地として要塞化されるだけでなく、琉球列島弧に沿ったほとんどの島が、文字通りの要塞――不沈空母として造られていくということだ。 |